土曜日, 12月 7, 2024
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ハイ・アングル(2024年7月1日号掲載)

▼KADOKAWAグループへのサイバー攻撃が発生してから1カ月。大手出版社の事例が耳目を集めるが、サイバー攻撃による国内企業の被害は全般的に増加傾向。実務・サービスの停滞、機密情報や顧客情報の流出など、IoT社会へ与える影響は甚大なものとなっている

▼印刷展示会「drupa」では、自動化ソリューションを駆使した”無人化工場”などの提案も。とある有識者は「紙を入れたら印刷・加工済みのラベルが出てくるような無人化ソリューションが確立された工場は、電灯すら必要ない。明かりが灯っている工場はエコではない」とまで言い切る。日本企業も直面する人材不足に対し、暗闇の無人工場はひとつの解となるか

▼展示会場内では、印刷機単体の訴求は少数派。大半はワークフローシステムと組み合わせ、製造現場を見える化するなど包括的な提案を行った。デジタル印刷機に限らず、フレキソをはじめコンベンショナル機の自動化技術も台頭。既存機種に対してもセンサー類を後付けするなどし、PCやタブレット端末から製造現場を管理できるとした。これら製造現場のシステムと経営情報システム(MIS)を統合し、DXを推進する企業は増加の一途をたどる

▼自動化・無人化ワークフローシステムを導入した場合、当然ながらシステムには堅牢なセキュリティー性が必須。外部からの攻撃を受けた結果にしろ、顧客情報の流出、それを質とした身代金の請求など、慎重な判断が要求される。有事に際しての行動で、被害者である企業が世論に叩かれるおそれもある反面、適切・誠実な対応で賞賛される事例も。7月1日は、産業災害や火災などに対する安全意識の高揚を図る「国民安全の日」。災害に加え、サイバー攻撃や不祥事の発覚などに備え、BCP策定は急務の課題。暗闇を照らす道しるべが求められる。

(2024年7月1日号掲載)

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