金曜日, 10月 4, 2024
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ハイ・アングル(2024年8月1日号掲載)

▼時差7時間の世界から威信をかけたアスリートらの戦果が届く。東京五輪から早3年、新鋭の快挙に手を打ち、英雄の苦杯に唇をかむパリ2024オリンピックが始まった。ブレイキンやスケートボードが正式種目となる時代に隔世の感を覚えるも、どちらも日本人が強者として名を成す

▼話は再び東京五輪。金銀銅メダル全5000個は都市鉱山から生まれた。小物家電から抽出した金属を再資源化する「みんなのメダルプロジェクト」。回収した小物家電は約7万8985トン、約621万台の携帯電話を集めた。五輪史上初の試みは、小さくとも参画したという実感と資源循環の可能性を示した

▼ごみを資源へと再定義、ごみ箱を再資源化の旅の入り口に。剥離紙に剥離フィルムと、ラベルも資源循環が始まり水平リサイクルを目指す。そんなラベルの「裏側」に加え「表側」にも動きが。シュリンクラベルからインキを除き、再生樹脂としてフィルム材料の一部に使用する水平リサイクルの実証実験が相次ぐ

▼ブレイキンのパワームーブよろしく、グルグルと回り続ける循環の精度を磨き合い、自身が信じるスタイルでベストトリックを披露する――。今秋のラベルフォーラムジャパンでは、剥離紙・剥離フィルム・インキ脱墨とプラスチックリサイクルの3者が一堂に会する資源循環ミニセミナーを企画。ラベルも都市鉱山を見いだすか

▼対決を煽り勝者を決するのではなく、真の狙いは社会が求める環境配慮に対して印刷会社へ「選択肢を示すこと」。スケートボード競技のように困難へ挑む姿勢をお互い評価し、自分を貫き自由を表現する精神が、世界を驚かす次のビッグトリックを生む。『自由とは、他者を害しないすべてをなしうること』。他者の自由を侵害しない限り、人は本来自由である。235年前の8月、フランス人権宣言の第4条はそう告げる。

(2024年8月1日号掲載)

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