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ハイ・アングル(2024年10月1日号掲載)

▼自民党の総裁選が決着。石破茂新総裁は「安全で安心な国にするために全身全霊を尽くす」とした上で、デフレ脱却や日米同盟などについて言及した。11月には米大統領選も控える中、世界情勢の行く末は。共和党・民主党の候補者による丁々発止の討論会、そして過日の東京都知事選など含め〝見世物化〟が目立つ選挙を経て、実利を伴った政に期待が寄せられる

▼ラベル印刷会社に対して、代替わりした新社長インタビューの機会に恵まれる。先代が積み上げてきた歴史を尊重しながらも、時代に即した改革へ乗り出す。急進的な取り組みは時に各所から反発を招く危惧もあるが「先代はカリスマ的な存在のワンマンだった。単純な善し悪しではないが、自分は協調路線・合議制によって皆が納得した上で事業を変えていく」との声は複数社で聞かれる。明確なビジョンと懇切丁寧な説明によって、持続可能な企業を目指す

▼ところ変わって、筆者の近所にオープンしたパン屋の話。デザイン性に富んだ内装と商品陳列も優雅な印象だが、棚の両端にそれぞれ種類の異なる食パンが置かれていた。計算され尽くしたシンメトリーな見栄えなのだろうが、一見の消費者からしてみれば不満も。それぞれの食パンの違いをPOPで見比べるため棚を右往左往しなければならず、商品の特徴が伝わってきづらい

▼一国の代表や企業がSNSとオウンドメディアを駆使して、国民・消費者へ声を直接届けられる時代。「施策の効果は」「よそと比べた優位性は」など、情報の見せ方は死活問題に直結する。優れた将来設計を携えていても、十分な説明抜きでは響きにくい

▼先行き不透明な今、人々が求めるのはパンと見世物ではなく実効性のある将来像。投票日に”必勝パン”を携え、女性候補と史上最年少を抑えた新総裁は、いかなる情報を、どのように説明するか。

(2024年10月1日号掲載)

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