木曜日, 10月 3, 2024
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ハイ・アングル(2024年8月15日号掲載)

▼パリオリンピックが会期を終え、閉会式で華々しく花火が打ち上がった。疑惑の判定や選手村の設備状況などネガティブな話題もみられたが、日本は金メダル・メダル総数ともに海外開催時の最多を更新。惜敗した試合でも、日本のスポーツレベル向上を示す内容だった

▼華やかな話題に沸く一方、南海トラフ地震臨時情報、台風やゲリラ豪雨による災害への備えが一層呼びかけられている。天気の急変を受けて、花火大会が開催直前で中止となるケースも。警備業界の人材不足から、順延した際の警備員確保が難しいとし中止の判断が下ったという。有事に際してのリソース不足は国内の随所でみられる課題。天災と人材難へいかに向き合うか

▼先日発生した地震では九州のラベル印刷会社で棚の資材が散乱したほか、設置している印刷機がズレて調整が必要となるなどの被害が。速やかな復旧には印刷会社・サプライヤーの人力が不可欠。不幸中の幸いで今回は人的被害もなく、早期の対応が叶った。印刷の国際展「drupa」で実効性が示された無人化工場でも、天災によるイレギュラー対応には人の介入が求められる

▼次代を担う若手を巻き込むためにラベル業界、ひいては印刷会社の魅力を見直し発信していかなければならない。パリオリンピックの柔道で審判を務めた、宗家花火鍵屋15代目であり柔道家でもある天野安喜子氏は、コロナ禍を契機に花火の魅力を再考。エンターテインメント性以外にも、皆で夜空を眺め、つながりの醸成に有用なコミュニケーションツールであるなど価値を見いだしたという。ラベルもブランドオーナーや消費者間、CtoCでコミュニケーションを促進する役割を担う。天災への備え、資材やエネルギー価格の高騰といった外的要因に面し、印刷の価値と将来とは。世界で金メダルを獲得し得る技術の躍進を願う。

(2024年9月1日号掲載)

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