▼立春を過ぎ振り返ってみれば、関東でも大雪に見舞われたものの2023年は暖冬となった。世界気象機関によれば、世界の平均気温が観測史上最も高かった年だという。世界各地で異常な高温を記録したほか、干ばつや山火事などが多発。農作物への影響もあり、食品価格の高騰を引き起こした。地球温暖化への関心も強まり、関連する環境施策への取り組みが一層進むことが予測される
▼新型コロナウイルス感染症は依然として油断ならない状況ではあるものの、印刷の祭典「drupa」をはじめとした展示会が本格的に再始動。グローバルの印刷市場の動向をひも解くと、設備投資意欲は回復傾向とされ、印刷会社は次の一手を模索している。欧米の印刷会社も人手不足と価格改定、環境負荷低減への対応などに追われる中、オペレーションの効率化や利益率の改善に向けた最適解とは
▼日本国内を見回しても、市場構造の変化に追従しようとする動きが随所でみられる。先日開催されたギフト市場の展示会では、BtoC商品の開発と販路開拓に挑むラベル印刷会社の姿が目立った。ある出展者は「受注の増減が激しい下請け体質からの脱却へ向け、BtoC商品の開発に取り組んで5年以上。ようやく一般消費者への認知も広まってきた。商品展開を通じて自社ブランドの強化、オペレーターのモチベーションアップ、人材採用にも好影響を得ている」とコメントする
▼印刷に抜き加工、加飾、粘着塗工など確かな技術を持つラベル印刷会社ならば、事業環境の変化に際しても指針は見えるはず、と前述の出展者は力説。印刷の国際展などを通じて、設備導入含む将来を構想する。熱気に包まれた「ラベルエキスポヨーロッパ2023」を経て、drupaへ。印刷にまつわる空模様を踏まえ、苦戦を強いられたコロナ禍の雪辱を果たしたい。
(2024年2月15日号掲載)
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