三登商事㈱(大阪市中央区南船場、左成勝男社長、☎06-6261-0198)は、布地へ貼付するタグ・ラベル用の特殊粘着剤を新たに開発した。被着体へ貼付する際、加熱を必要とせずに定着する特徴を有する。同社では、ポリウレタンの基材に新粘着剤を塗工したノンアイロンタイプの粘着シート製品「niHaReL(ニハレル)」として、ラベル市場へのPRに力を注ぐ。
同社はカッティングシートやアパレルウェア向け転写シートの製造・販売を主事業にビジネスを展開し、今年で42年目になる。特にスポーツ関連のマーキングシェアでは国内トップを維持。またオンデマンド印刷に対応するインクジェットプリンタ(IJP)や、専用メディアの熱転写シートも取り扱っている。
さらに同社は新市場の開拓を目指し、培ってきた技術ノウハウを応用することで、ホットメルト型と溶剤型のハイブリッド粘着剤を開発。粘着剤メーカーや加工会社の協力を得て、加熱せず被着体に定着できるニハレルの上市へと至った。
一般的なアパレル向けの粘着剤は、フィルムシートに塗工された樹脂が加熱によって粘着力を活性化し、被着体に定着する。これに対して新開発の粘着剤は、粘着ラベルと同様に表面基材のシートを剥離紙から剥がし、被着体へ押し付けるだけの作業で完了。粘着剤の樹脂が時間経過とともに変化し、繊維に浸透して定着する。被着体は化繊系やコットン系、ナイロンなどの布地を対象としている。
基材はポリウレタンで厚みは100~130μm、剥離紙はPETの70μm。幅は620mm(有効幅)で、ロールは通常10mでの供給となるが、要望に応じる方針としている。
〈写真〉ホットメルト型と溶剤型のハイブリッド粘着剤が塗工された粘着シート「niHaReL」
(2022年11月15日号掲載)