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ハイ・アングル(2023年11月1日号掲載)

▼幼児向け教養番組のあるコーナーでは、廃棄物が別のものへと生まれ変わる「アップサイクル」がストーリーになっている。サランラップの芯やかまぼこ板などのキャラクターがゴミ箱へ捨てられたのち「本来の役目を終えて自由になった」と皆で協力して、子供の遊び道具に。アニメーションに釘づけの子供たちの脳裏へ焼き付き、将来の明るい世界を担ってくれるか

▼東京メトロは、引退する車両の座席シートをキーホルダーやポーチなどに変えて販売。クラウドファンディングで支援者を募っており、開始早々に目標金額を超えた。鉄道グッズの収集家にとってみれば、願ってもない機会だ。またアパレル大手のファーストリテイリングが展開するユニクロでは、同ブランドの古着を回収してヴィンテージのような風合いになる加工を施しリメーク品を手がけた。どちらの事例もマスメディアで報道されており、関心の高さがうかがえる
▼商品に貼って何者かを表示する役目のラベルではどうか。バイオマスインキによる印刷で、基材に「環境にやさしい」と明示しアピールする段ボールの梱包用テープ。同テープは、PET素材の光学関連製品の製造時に出るロスをアップサイクルした。加えて風呂敷の端材を有効活用したシールだ。京都の風呂敷メーカーが考案したもので、商品の封かん用途のほか、風呂敷を装飾するアイテムになり子供向けワークショップを開催した
▼多様な結び方で日本古来より包装の役目を担ってきたが、エコ製品としての再認識に、シールという新たな1枚が加わっている。ラベル自体をアップサイクルすると、貼ったあとの再剥離が有効か。また剥離フィルムを水平リサイクルする取り組みも登場した。貼る、剥がす、表示する役目で生活を支えるラベルから新たな製品を生み出し、次世代の世界を守っていきたい。
(2023年11月1日号掲載)
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