▼スーパーのイオンは、調理用油やカップ麺、トイレットペーパーといった一部プライベートブランドの値下げを発表した。またコンビニのローソンは、定番のおにぎりや弁当6商品に関して、物価上昇に対する節約意識の高まりを受け「当面の間」で値下げを行う。さらに酒類では、10月からの酒税法改正に伴う減税を背景に、缶ビールなどの値下げや第三のビールで値上げの動きも
▼本来であれば値上げを行うのに、付加価値を得た商品に対して行われるのが理想だ。トイレタリー用品を手がけるブランドオーナーは、企業のノベルティー向けとして、既存商品のラベルデザインを変更可能なサービスを展開。自動車やスマートフォンを販売する会社などが利用しており、企業ロゴや公式キャラクターを入れて販売促進の効果を狙う。対象商品はハンドソープや食器用洗剤の生活必需品とあって〝毎日目にする広告〟になるという
▼一般消費者向けでは、整髪料とボディーケアシートのラベルに対して任意の写真とメッセージを入れられる事例も。友人や恋人、家族などの大切な人に向けたギフトとして、若年層を中心に支持を集めている。実商品よりも500円ほど値上がりするが、サービスの利用者によれば「中身は同じであっても、誰かのことを想いラベルをカスタマイズ可能な唯一無二の商品。貴重なコト体験ができるので金額差は気にならない」という
▼サプライヤーは自助努力を怠らず奔走を続けるが、資材価格の高騰は避けられない状況。刃型やレーザー加工で微細な表現ができる、インキで香りを付与できる、環境に配慮した紙・フィルムを供給できるといった提案をブランドオーナーは待っている。ラベル業界全体で苦境を乗り切り「商品の魅力が増すラベルを作りませんか」と、前向きな価格交渉が進む時を見据えて技術を磨きたい。
(2023年10月15日号掲載)