(株)サトー(本社:東京都港区、笹原 美徳代表取締役社長)は2024年2月14日、同社内のRFIDによる棚卸し実証実験で、大幅な業務時間短縮と金属を含む保守部品への対応を実現した結果を踏まえ、3月までに全国の同社サポートセンターなど49カ所にRFIDによる管理を導入する、と発表した。
保守部品の棚卸しや在庫管理でのRFID活用は、読み取り感度の低下を招く金属を含む部品が多いほか、さまざまな形状や大きさのパーツがあることから、いまだ導入事例が少ない状況が課題としてある。この状況を受け、同社では先行して自社製ラベルプリンタの保守業務を担うサポートセンター(江東区)で実証実験を実施。従来、2,371点の部品の棚卸しについて、一点一点人手で行ない3.5日を要していた業務について、RFIDを活用することで3時間で作業が完了し、89%もの大幅な時間削減を実現したという。
また、同社のカスタマーエンジニアが毎日行う部品の持出しと返却処理の作業時間についても検証。従来、PC入力で管理していた内容が、部品に貼付されたタグをリーダーで読み取るだけになったため、1回の所用時間は従来の3~5分から約30秒へと短縮。入力ミスもなくなるため、在庫管理の精度も向上した。
今回の実証実験では、金属対応のRFIDタグを使用しなくても、読み取り精度を確保しやすい対象物の並べ方や保管棚のあり方、部品ごとに異なる最適なタグの付け方など、さまざまなノウハウを獲得。
同社ではこれらの結果を受け、3月までに全国のサポートセンターなど49カ所にRFIDを導入し、業務効率化による生まれた時間を活用。カスタマーエンジニアが本来の業務に専念する環境の実現を目指すほか、担当従業員の作業負荷を軽減し、働きやすい環境整備に向けた改善にも努める、としている。
また、棚卸し業務の改善を目指すユーザーに対し、同社サポートセンターへの見学を受け入れし、事例を公開する、としている。