▼本紙1面にも掲載したように元日夕方、マグニチュード7.6の「令和6年能登半島地震」が発生した。震源が浅いこともあり、日本海側沿岸部へ津波が襲来。震央の半島北部では建造物の倒壊が相次ぎ、火災も各地で発生するなど周辺地域に甚大な被害を与えた。山間部では大規模な地滑りが起こり、交通網は寸断。自衛隊や消防などの救助活動は困難を極めた。被災地では水道や電気、通信などのライフラインが絶たれ、多くの住民が避難所生活を余儀なくされている。被災されたすべての方々にお見舞い申し上げる
▼天災は人間の都合など構うことなく起こり得る。コロナ禍からようやく解放され、回復への希望を抱いて迎えた新年初日に、このような事態へ陥ろうとは。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などで得た教訓もあった。それでも人々の平穏な暮らしや日本経済を支えてきた産業は破壊され、復旧に長い年月が費やされる。無常を感じずにはいられない
▼本紙では正確な現状把握を目的に、ラベル関連企業を対象とした情報収集を実施。復旧作業や仕事始めという大変な中で多くの情報を提供いただいた。特に大きな被害のあった能登半島北中部でラベル製造を手がけている企業からは「報道の役に立つならば」として画像の提供も。現地のようすを正確に伝えるべく掲載させていただくとともに、被災した企業の一日も早い復旧を心から願う
▼ラベル関連企業への直接的被害は限定的かもしれないが、ラベルを使用するブランドオーナーは多数傷ついている。昨秋、JFLP主催の「年次大会 金沢大会」では組合員・協賛会会員が金沢に多数集い、石川県の伝統産業に触れたことと思う。ラベル業界は今こそ協力して能登の産業に支援を行うべきでは。天災による傷を癒すことができるのは団結ということを、われわれは学んできたはずだ。
(2024年1月15日号掲載)