木曜日, 4月 18, 2024
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ハイ・アングル(2023年12月1日号掲載)

▼先月末、手元に思わぬ郵便物が届いた。差出人は自分。10年前の自分自身から、自分に宛てたものだった

▼手配主は、印刷産業青年連絡協議会。ちょうど10年前に実施した企画「印青連ドリーム」で、当時の印刷団体青年部の参加者と自由な対話手法「ワールドカフェ」のもと『10年後何をしていたいか』を協議した
▼世代の近い青年印刷人らとの対話を重ねる中で、茫洋とした自身の未来の輪郭をつかみ、自分に宛てた手紙をタイムカプセルへ。先日のカプセル開封式に参加できなかった人に郵送し届けてくれたという経緯だ
▼2023年を生きる自分に向けた10年前の手紙の内容は、さながら深夜に筆に力込め書いた恋文を翌朝読み返す心境。肩に力が入り、文面に溢れる青さに赤面するも、同時に10年の月日で何かを失ったことに気づく。唯一同梱したシールだけが、反り返りや色の退色もなく、UV特有の“におい“とともに変わらぬ姿を保つ
▼もし10年後、2033年に向けてタイムカプセルを作るとしたら。例えば実効から3年が経過したSDGsのもと、誰一人取り残さないの大義に則してラベルも取り残されず正常進化を遂げているか
▼カプセルから出てきたラベルを見て、まだインキや粘着剤がバイオマス仕様でない、バージンフィルムをふんだんに使った基材だ、開始剤のにおいが懐かしい、剥離紙は後で回収ボックスに入れておこう。そして「社長、この商品は昔ラベルを採用してたのですか」。新人社員が10年前に驚く、そんな未来が待つだろうか
▼『10年後、輝いているのは誰だ』。夢や希望のない未来に発展なし。今日は自分の夢と希望を再認識する日にしよう――。こんな一言で印青連ドリームは始まった。われわれは今、10年後に何を描くのか、そこに夢や希望はあるか。印刷の未来はどっちだ。青い文面が、真っすぐそう問いかける。
(2023年12月1日号掲載)
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