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進和ラベル印刷、NFCラベル「SENGAN」を好評販売中。スマホをラベルにかざすと一瞬で真贋など判定

進和ラベル印刷㈱(山形県上山市蔵王の森、晋道純一社長、☎023・672・7577)はこのほど、SBIトレーサビリティ㈱(東京都港区六本木、輪島智仁社長)と業務提携し、ICチップ搭載のNFCラベルとブロックチェーンの技術を融合したトレーサビリティーサービス「SENGAN(先眼)」の運用を開始した。NFCラベルにスマートフォンなどのモバイル端末をかざすことで、被着体の真がん判定や販売ルート状況の確認が可能。専用アプリを必要とせず容易に情報を入手できる特徴を有する。

商品に貼付されたNFCラベル(左)にスマホをかざすだけで真がん判定が可能

進和ラベル印刷は日本酒、ブランド食品および化粧品分野へラベルやパッケージを製造・販売。これらの分野では近年、高価格商品を対象に模倣品、模造品が横行し、生産者を悩ませている。またフリマサイトを介して高額売買される並行品や横流し品などが社会問題化している。

このような背景から、同社は高度なセキュリティーやトレーサビリティーを実現する機能性ラベルのソリューションを模索。地元銀行の仲介で、SBIトレーサビリティのブロックチェーンを生かしたSENGANの運用へと至った。

ブロックチェーンとは、ネットワーク上の端末同士を直接接続し、暗号化されている情報の照合や記録などを可能にする技術。高度な暗号の解析や関与するブロックで区切られた情報のすべてを変更する必要があり、不正な改ざん行為は極めて難しく、そのような特徴から仮想通貨の運用にも活用されている。

SBIトレーサビリティはブロックチェーン基盤「Corda」を活用したトレーサビリティーのシステムを開発・運用。食品流通などの分野で高い実績を上げる。進和ラベル印刷のSENGANは、SBIトレーサビリティの技術が応用されている。NFCラベルは進和ラベル印刷で視認情報を印刷。ブランドオーナーは商品に同ラベルを貼付することで①真がん判定②トレーサビリティー③企業PR、といったサービスを得る。

SENGANの販売プロジェクトを指揮する晋道勇一専務取締役は①について「ホログラムなどのセキュリティー技術は模倣・偽造の抑止に限界があった。一方、高度なセキュリティー技術を採用した場合、コストも高額となる。これに対して当サービスは、低コストで高いセキュリティーを実現する」と説明する。また②について「NFCラベルのICチップには書き換え不可能な固有IDを内蔵し、出荷先などの情報を紐づけすることで流通ルートを管理。正規以外の販売を抑止する効果がある」(晋道専務)とコメント。③ではブランドオーナーや対象商品のPR、購買層の情報獲得にも応用できる。

SENGANは山形県酒田市の酒造会社をはじめ、すでに複数の顧客から引き合いがある。晋道専務は「今期に5件の実績を上げたい」と目標を掲げる。

今後の展望について晋道純一社長は「経営環境が目まぐるしく変化する中で、受注型ビジネスを基本にしつつ、提案型ビジネスに挑戦することが事業領域の拡大につながると信じている。価格競争に影響されない高機能かつ高付加価値ラベルの製造と販売を手がけることで、企業のさらなる成長・発展を目指したい」と語った。

晋道 純一社長(左)とプロジェクトを進める晋道 勇一専務取締役

 

 

ラベル新聞2023年10月15日号8面に掲載

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