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シカゴのラベル事情 訴求のカギは品質より戦略

【2013年6月7日】シカゴの店頭に並ぶ商品でよく見かける透明粘着ラベル。ジャムなどの食品と並んで採用の多い分野がトイレタリー関連だ。
 

 グローバルブランドのシャンプー・リンスへの使用は日本でもよく目にするが、こちらの店頭を賑わせているのは、色も種類も豊富なハンドソープやハンドサニタイザー(殺菌剤)のボトル。プッシュ式容器の多くは見るからに安っぽく、それを補うためもあってか、不自然なまでにラベルに力が入っている。キャラクターものは言うに及ばず、地元球団・カブスのロゴ入りや、表面に魚、裏面ののり面に水草をあしらった水槽を思わせるデザインも。洗面台などの目に付きやすい場所で使うことに加え、リピーター狙いならば置くはずの詰め替え用が見当たらない点からも、手を変え品を替えて消費者の興味を引くブランド間の激戦が続いているようだった。

 「簡素な容器に凝ったラベル」の極めつきが、ディスカウントストア「マーシャルズ」で見つけたハンドサニタイザーだ。シルバーを背景にした女性モデルの写真が、ボトルの表裏いずれからも見える。詳しい人に聞くと「透明粘着フィルムに裏刷りして白コートを挟み、さらにネーマを貼り合わせて印刷後ラミネートしている」とのこと。手間とコストはいかほどだろうか。3㌦50㌣に値引き前の定価4㌦は、同種商品では標準的な価格だった。
 店頭での市場調査中にはもう一つ、インモールドラベルの採用分野が幅広いことに気づいた。被着体との境目がなく水回りでの使用に適するため、日本ではホームケアなどトイレタリー分野でなじみ深いが、こちらでは容器の成形工程で印字もできる簡便さを買われ、ジュースなどの1㌎ボトルにも使われていた。
 あぜんとしたのは、事務用品店「ステイプルズ」で見つけたインスタントコーヒー「フォルジャーズ」のインモールドラベルつき容器だ。約1㌔入りで、機械のグリスと言われても違和感ない無骨さ。コーヒーで一息などというくつろいだ雰囲気はみじんもなく、「デスクワーカー用潤滑剤」としての機能を前面に打ち出しているかのようだ。
 
 ラベルの効果は戦略次第。品質も重要だが、良くした分だけ目を引いて売れる、というものでもなさそう。その生きた実例にあふれたシカゴの街だった。(相馬)
 
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