旭化成は、ITベンダーのTISと偽造品流通を抑制するためのデジタルプラットフォーム「Akliteia(アクリティア)」を共同開発した。真がん判定には旭化成が製造する独自の偽造防止ラベルを使用しており、同ラベル、真がん判定デバイス、ブロックチェーンの3要素で構成するサービスを通じ、サプライチェーン全体で偽造品の流通を防いでいく。
旭化成とTISは、個社ではなくサプライチェーン全体で偽造品を減らすための継続的な仕組みを考案。偽造品の発生状況を定量的に可視化できるデジタルプラットフォーム「アクリティア」を共同で構築した。
アクリティアは①偽造防止ラベル②真がん判定デバイス③ブロックチェーンの3要素で構成。このうち旭化成は①と②を担当する。
運用について、偽造防止ラベルは旭化成独自の製版技術と特殊インキを用いて印刷。1μm以下のごく微細な特殊パターンをフィルム基材上に印刷して、肉眼で確認できないステルス性を持つ複製が難しい透明なラベルを形成する。
ラベルを対象の製品に実装し、製造工場や物流倉庫、小売店舗などサプライチェーンの各拠点で旭化成が提供する真がん判定デバイスでスキャン。各拠点で製品が真正品であるかどうかを確認でき、偽造品を排除するとともに、真正品の数量把握を可能とする。
またスキャン結果は、TISがブロックチェーンプラットフォームを用いて構築したクラウドサービス「アクリティアネット」に記録される仕組み。偽造品の発生状況をサプライチェーン全体での共有を可能にし、どの段階で偽造品が多く混入されたかなど、被害実態の定量的な把握・可視化が行える。
〈写真〉旭化成は偽造防止ラベルと真がん判定用デバイスを提供。ラベルの透明部分にサブミクロン印刷が施される
(2022年11月1日号掲載)