▼新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行した。都市部や展示会などイベントの人流をみてみると、一部ではコロナ禍以前の2019年と同等、ないしは若干下回る水準にまで回復した印象。ラベル需要の本格的な復調が待たれる
▼観光地にインバウンドをはじめとした人流が戻ることは歓迎したい一方、迎える側の人手不足は深刻化。需要に対するキャパシティーが追い付かず、人材難を理由に時短・縮小営業する施設も少なくない。人口減少に伴う国内市場の縮小も、向き合わなければならない課題として横たわる
▼世界各地で再開しているラベルの祭典「ラベルエキスポ」の次回は、欧州で9月開催となっている。同展では、長らく人材に関する悩みを抱えているラベル印刷会社へ向け、自動化・効率化に有用なソリューションを伝える「オートメーション・アリーナ」も開設。コロナ禍で遠隔管理システムなどが拡充し、オペレーターの負担を軽減する各種試作が披露される
▼また、成長目覚ましいインドでも同展が昨年11月に実施された。同地域は人にあふれるが、関心の高まる高付加価値な環境対応や個品認証など機能性ラベルのソリューション確立は道半ば。日本をはじめ欧米のラベルと周辺製品を売り込む機会と捉えられる
▼先日、エンタメ業界の有識者へコンテンツビジネスの市場性について尋ねたところ「”2.5次元”や“Vtuber”など日本が最先端を行くコンテンツをいかに成長が見込める他地域へ輸出するか」と提起。その上で「コスト的に日本側の人手を多くかけられないという事情もあるが、日本式のプラットフォームに現地の人材を乗せること」と説いた。高い技術力を持つ国内のラベル業界も同様に、日本式プラットフォームを世界へ発信できないか。渡航制限も徐々に緩和される中、再始動の年としたい。
(2023年5月15日号掲載)