㈱ユポ・コーポレーション(東京都千代田区神田駿河台、渡邉真士社長、☎03-5281-00811)はこのほど、シャンプーや洗剤など水回りの日用品を対象としたPET容器向けの「はがせるインモールドラベル」を上市した。使用時は容器と一体化する一方、廃棄時には容器から分離させることが可能。容器リサイクルに貢献するといった特徴を有する。
インモールドラベルは、容器成形時に金型へラベル基材を差し込んで容器に熱溶着させるため、通常は容器から剥がすことができない。これに対して新製品は、ユポ独自の溶着層を応用し、容器と一体化する機能を保持しつつ、廃棄の段階では容易に剥がすことが可能。またUVオフセットやレタープレス、フレキソ、グラビアといった印刷方式に対応するなど、既存のインモールドラベル用ユポと同等の印刷適性を有する。
開発経緯について、開発部プロダクト開発グループの岩佐泰雄マネージャーは「PET容器のうち、飲料向けは使用済み容器の回収率が93%、リサイクル率が85.8%と高水準を保つ。しかし水回り関連のPET容器はサーマルリサイクルが主流。限られた石油資源の有効活用には、リサイクル促進に貢献するラベルが必要と考えた。そこで2010年、使用後のPET容器から剥がせるインモールドラベルの研究に着手。10年以上の期間を経て開発へと至った」と説明する。
また同社は、バイオマス樹脂を配合した「ユポグリーン」の用途拡大も推進。店舗や駅などで使用される電飾看板を主用途としたユポグリーンシリーズの新製品「ユポ電飾用紙BLRG150」を開発した。
〈写真〉商品の使用時には容器に溶着しつつも、使用後の廃棄時には分別を可能にする「はがせるインモールドラベル」
(2021年9月1日号掲載)