リコーは、自技術を駆使した「抗菌/抗ウイルス構造膜の印刷」を発表。薬剤を使わないで菌やウイルスを死滅させる技術として注目されている。
同技術は物質の表面に微細な構造膜を印刷することで、抗菌/抗ウイルス効果を付与するもの。菌やウイルスを物理的に死滅させる構造の膜を形成する独自の印刷技術となっており、①構造膜は高強度で効果が長期間持続②同技術は多様な材料へ適用でき低コストで実現可能③繊維などの部分印刷にも対応、といった特長を備える。
ニス引きのような加工を施すだけで、素材に抗菌/抗ウイルス効果を付与できる手軽さに加え、同社は「薬剤を使わないため、子ども用玩具や化粧品容器などへ使用しても安心・安全な技術となっている」と訴求。効果に関して、黄色ブドウ球菌は「ISO22196:2007」、インフルエンザウイルスは「ISO21702:2019」に準じた試験結果で99.9%以上の死滅率を記録した。開発の経緯について「パンデミックを引き起こす可能性のある未知のウイルスや薬剤耐性菌が多く確認されている。生活の中で当たり前のように抗菌/抗ウイルス製品を使用し、感染拡大を抑える対応が望まれている」(同社)としている。
〈写真〉「nano tech 2021」で印刷技術を解説しサンプルを初披露した
(2020年12月15日号掲載)