アルジョウィギンス(本社・英国)はこのほど、包装用プラスチックの代替となる、持続可能な酸素バリアー機能を施した特殊紙「Sylvicta」を上市。半透明で機能的な紙素材は、堆肥化や海洋分解が可能であり、再生可能な原材料から製造される。
Sylvictaは、食品が腐敗する原因である酸素への高いバリアー性を有する。バリューチェーンの輸送、小売り、消費の各段階において、商品の貯蔵寿命を延ばし、食品廃棄物の減少を支援する。同社は、精密な繊維精製を通じて、有害な化学物質を使わずに、自然由来のユニークな半透明紙を開発した。
Sylvictaは、従来のオフセットやグラビア、フレキソ印刷に加え、箔押しやエンボス、ヒートシール、コールドシールなど、従来の素材と同様に、加工やコーティングを可能とする。ドライフルーツ用のポーチや、サラダ用のバッグ、固形石鹸やペットフード用小袋、バター用の蒸着包装など、多彩なアプリケーションへの活用を見込む。
透明紙部門のマネージングディレクター、クリストフ・ジョーダン氏は、「持続可能な包装資材が望まれるが、プラスチック素材は実用的な理由から依然として高い需要となっている。これまでは、リサイクルが難しい、プラスチックまたは多層ラミネートにアルミホイルを組み込んだ素材が採用され、使い捨てされていた。Sylvictaは、リサイクルや堆肥化、生分解性可能な紙素材で、循環経済社会の構築に貢献する」とコメントする。