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ハイ・アングル(2020年11月1日号掲載)

近ごろ、緑と黒の市松模様がデザインのトレンドに。人気漫画「鬼滅の刃」の主人公が身にまとう衣装柄が、その理由。同作品の劇場版は公開10日間で100億円を突破したほか、関連グッズも好調の様相を呈する。事実、同柄を背負ったキャラクターのステッカーや食玩のおまけシールなどが続々と発売。令和初のメガヒットとあってキャラクタービジネス界隈は色めき立つ

 ▼JTBの調査によると、2019年に日本人が海外旅行で消費した額は4兆5000億円。それに対してコロナ禍の20年は、海外への渡航制限により大幅減。すなわち同額が国内に留まっていることになる。事実、日銀発表の資金循環統計では20年6月末段階で、国民の現金・預金額が前年同月比4%増となり、過去最大の伸長率に。あるアナリストは「国民が先行き不透明感から消費を抑えていることもあるが、お金の使い道を見失っている」と分析
 ▼スーパーマーケット販売統計調査では、食品の総売上額が20年9月まで、前年同月を8カ月連続で上回る好調ぶり。消費者の在宅機会増により、食品の購入件数と1品当たりの金額が伸長傾向に。「旅行を控える消費者が各地の名産品を購入するケースが増えた。その地域をイメージさせるブランドラベルやPOPの存在感は以前よりも大きい」とスーパーのグロサリー担当者は語る
 ▼新型コロナの収束が見えない閉塞感の中で、疫病という〝鬼〟を断つ救世主の登場を願いたいところだが、ラベル市場の活性化は他人任せにできない。厳しい現状にあっても、ビジネスヒントは必ず存在する。ラベルビジネスに携わる企業それぞれがいち早くヒントを見いだし、時流に即した製品開発とターゲット層に向けた最適な提案を行う努力が求められる。柄の途切れぬ市松模様のように、今後もラベル市場の継続的な発展を切に願う。
(2020年11月1日号掲載)
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