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白鶴が消毒用高濃度アルコールを製造、供給へ ラベルは自社出力 手貼りで対応

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内では手指消毒用エタノールが不足傾向にある。そのような中で厚生労働省は、高濃度エタノール製品を手指消毒用に代用することを認めた。これを受けて酒造メーカーは、消毒用エタノールの代替として高濃度アルコールの製造を開始。医療をはじめ行政や福祉などの施設に向けた供給に取り組んでいる。

酒造大手の白鶴酒造では、消毒用高濃度アルコール製品「アルコール77」を製造。同商品はアルコール分が77%で、5リットルのポリ容器に充てんし、4月下旬から複数回にわたって、地元の神戸市へ約1000本を供給している。
同社では「厚労省の事務連絡を受けて、当社が協力できることがないかと検討を進めた。製造と販売免許に関しては国税庁ならびに保健所と、また生産環境における安全面の確認については消防署とそれぞれ協議。その結果、生産が可能と判断し、高濃度アルコールの製造と供給を開始した。寛保3(1743)年創業の当社だが、消毒用製品の生産は初めての試み」と説明する。
また国税庁酒税課は、5月1日以降に出荷された高濃度アルコール製品のうち「不可飲」表示や番号管理など一定の条件を満たしたものを酒税法上の不可飲処置が施された製品として認め、従来の酒税を免除すると発表。これを受けて同社では5月以降、その条件に準じたラベルを製作・貼付することで、酒税分を減額し、神戸市などへ供給し続けている。
同社では「従来の酒類と異なるポリ容器を採用しているため、充てんからラベリングまで、既存の生産ラインとは別工程。特にラベルは、社員がプリンタで出力し、1枚ずつ貼付するため、作業を含むコストはどうしても高額となるが、社会貢献の観点から、採算度外視で取り組んでいる」とコメント。また今後の展開として「新型コロナへの感染拡大を防ぐため、今後も微力ながら貢献できるよう努めたい」と話した。
 
 
白鶴酒造のほかにも、消毒用高濃度アルコールの生産を始めた酒造メーカーが全国規模で増加。一方、ラベルで苦労しているとの声も聞かれる。
消毒用高濃度アルコールは現在も不足しているため、商品の早期出荷を理由に、ラベルも超短納期・小ロットへの要望が挙がっている。また変則的容器へのラベリング工程は手作業で行う場合が多く、生産効率が悪いといった課題に直面する。そのために酒造業界からは、現状打開の提案や対応について、ラベル業界への期待が高まっている。
 
(2020年5月15日号掲載)

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