IST EAST ASIA株式会社(東京都府中市府中町、勝田康社長、TEL042-310-9717)はこのほど、フレキソ版や凸版などの高速輪転印刷に最適な水冷式の新型LED-UVシステム「SCR」を発売した。高照度が求められるナローウェブ対応として、ラベルや軟包装の分野にPRする。
SCRは、LED-UVメーカーとしてグローバル展開を図る英インテグレーションテクノロジーと独IST Metzが共同開発。世界11カ国でISTブランドとして販売されており、すでに採用実績を挙げている。
新システムは、独自のLED-UVブースター技術「XT8」を採用。半導体チップの動作負荷を最小限に抑えた設計を施すことにより、システムの長寿命化を確立するとともに、従来製品と比べて30%以上の出力向上が図られた。
これにより、最大ピーク照度は1センチ当たり20ワットといった高照度を実現。印刷機での稼動テスト時では、最大で毎分250メートルといった高いインキ硬化性能を発揮しており、フレキソ機や凸版輪転機などの高速印刷に適する。光の波長域は標準が395ナノメートル、要望によって385ナノメートルおよび異波長混合にも対応する。
また、照射標準幅が270〜540ミリで、本体も既存システムと比較してダウンサイジングと低価格化が追求された。ISTは「既存のラベル印刷機に搭載されているUVシステムからの入れ替えが容易であることも、当システムの開発コンセプト。ラベル印刷機で標準的に装備されるチル(冷却)ロール上への設置にも対応するデザインとなっている」と説明する。
SCRは▽LEDヘッド▽ケーブル▽電源、以上のセットに加え、アンダー(遮光)シールドユニットをオプション設定している。
日本市場での販売展開について、勝田社長は「フレキソ機などの輪転機で、高生産性と省電力化に取り組むことにより、利益率向上を求める製造現場に最適なシステムである点を、ラベル市場に向けて訴求したい」と話している。
(2019年3月1日号掲載)