全日本シール印刷協同組合連合会(田中祐会長)は7月5日、千代田区丸の内の東京国際フォーラムで、韓国ラベル印刷協会(洪淳龍会長)と初のミーティングを開催。各団体の活動状況や課題とその対応策、それぞれの市場動向などについて意見を交わし、相互理解を深めた。また韓国団体から、情報交換をはじめとする協力関係の構築に関する提案なども挙がった。なお、今後の活動方針として、両団体が親交を目的とした定期ミーティングの実現を目指すことを確認した。
今回のミーティングは、7月6日から同所で開催された「ラベルフォーラムジャパン2017」への参加を目的に来日した韓国団体が要請し、全日シール連が応じる形で実現したもの。全日シール連からは11人が、韓国団体からは13人が出席した。
ミーティングは冒頭、田中会長が歓迎の言葉を述べるとともに「韓国は日本にとって一番近い国であり、文化的な交流も積極的に行われている。しかし、ラベル印刷業として交流するのは、初の機会となることから、とても楽しみにしている」とあいさつした。
一方、洪会長は「私の経営するラベル印刷会社『ヨウチャンラベルテック』は、日本のラベル印刷機をはじめ資機材などを導入・活用しているため、日本メーカーの関係者とは懇意にしている。しかし、日本の同業者であるラベル印刷会社と意見交換するのは初めて。ミーティングを通じて、日本のラベル市場などを深く理解したい」と語った。
引き続き、出席者全員の自己紹介が行われたのち、両団体の概要と活動状況、それぞれの市場動向に関する説明が行われた。それによると、韓国団体の加盟企業は123社。印刷会社とサプライヤーで構成されており、主にソウル近郊と京畿道に集中している。
また、韓国市場について、最盛期に3,000社あったラベル印刷会社が、現在は2,000社まで減少。理由として、大手による価格競争の激化と、コスト競争力のある中国ラベル印刷会社の市場参入による小・零細の倒産増加を挙げた。さらに、中小企業を中心にオペレーターの数が減少。募集しても人材が確保できないなどといった課題も明らかにされた。
ミーティングの最後には、今後の活動方針などについて意見が交換され、親睦を目的とした交流会の定期開催を目指すことで意見が一致。さらに、技術交流への取り組みを模索する意見なども挙げられた。
(2017年7月15日号掲載)