佐々木印刷(株)(岩手県北上市口内町、佐々木信雄社長、TEL0197-69-2111)は4月21日、ITWダイナテック(株)のホットメルトアプリケーターを搭載した粘着コーター「SHC-330」(三起機械(株)製)を設置。立ち上げと同時に、厚塗り両面テープ(ノンサポートタイプ)の製造テストなどを行った。同社は11年前からラベルの部分粘着塗工に着手。このほかにエマルジョンとホットメルトコーターを各1台導入しており、今後は、計3台の粘着コーターで、年を追うごとにユーザーニーズが複雑化している各種ラベルニーズに対応していく構え。
同社は2006年に、初の粘着コーターとして、ホットメルト型粘着剤対応の大型加工機を導入。主に紙系ラベルの部分粘着塗工や多層ラベルなどを手掛けてきた。同機では、同社オリジナルのライナーレスラベル「ハグレス」や、ハグレスを1枚ずつずらしながら積層している「連ラベル」などを製造し、順調に売り上げを伸ばしている。その後、エマルジョン型粘着剤対応のコーターも導入し、配送伝票ラベルなどを製造。各ユーザーのプリンタやラベラーに最適な設計の塗工処理で、評価を得ている。
今回の新機種設置は、新たに取り組んでいる透明フィルム系粘着ラベルへのパターン塗工が主目的。導入したITWダイナテックのホットメルトアプリケーターは、約160℃に熱せられたホットメルト型粘着剤を吐出し、基材に非接触で塗工していくカーテンコーター。
同コーターは、アプリケーターが基材の影響をまったく受けないため、ホットメルトであっても筋のりがなく、均一に薄く塗工できるのが特徴。ラベル基材だけでなく、不織布や布といった凹凸がある素材にも、均一に薄く塗工できる利便性をも持ち合わせている。
佐々木社長は「透明フィルム基材の場合、従来のコーターでは、筋のりが表側から透けて見えてしまうため、製品化できなかった。しかし、今回導入したコーターでは、むらなく均一に粘着塗工できることから、近年需要が増えているフィルム系ラベルなど、新たなラベル分野にも対応できるようになる」と期待を込める。
(2017年5月1日号掲載)