ニレコは現在、新たなウェブコントロールソリューションを提唱している。設定した画像の〝基準位置〟でウェブの蛇行を検出・修正する「デザインポジションコントロールシステム」を開発。カメラとパネルで構成する「ニレコインテリジェントシリーズ(NIシリーズ)」は軟包装業界を中心に導入が進む。
デザインポジションコントロールシステムは、絵柄・文字・エッジ・ラインなど画像全体の中から1つ基準を設定し、それを1000分の5秒に1枚という速さで連続的に撮像しながら定めた基準の位置ズレを追う、というもの。ズレを検出したらアクチュエーターと連動して蛇行を修正、常にウェブを一定に制御することができる。
基準の設定など操作はすべてタッチパネル処理。タテ5.6×ヨコ24ミリのカメラエリアの中から、基準位置を指定する。画面上には「基準画像」「全体画像」「拡大画像」が常時表示され、中心からどれだけズレているかという偏差表示を数値と目盛りで示す。
また外光や印刷濃度の変化にも影響を受けず検出する「正規化相互相関」、サーチボタンを押すだけで基準位置の登録が完了し検出を開始する「イージーサーチ機能」を搭載。ウェブの監視だけに目的を絞れば、カメラ「NIC100」と操作パネル「NIP100」だけで工事の必要がなくどこにでも設置できる。
同システムについて担当者は次のように説明する。
「軟包装のスリット加工では通常、フィルムの端に印刷したラインをセンサーで追いウェブを調整する。ギリギリに面付けしてデザインとラインの間が狭いと検出対象がラインからデザインの端に移ってしまうことがあり、スリット位置が変わって大量のロスを生む。設定したモチーフを追いウェブの蛇行を修正するパターンマッチング方式の当シリーズは、この問題を構造的に解消。ロスがなくなったと評価いただく」
同システムは「ラベルフォーラムジャパン2017」に出品予定。担当者は「システムへの評価と可能性を探り、集めた声をフィードバックしてNIシリーズを進化させたい」と話す。
問い合わせは同社W&I営業部(TEL042-660-7358)まで。
(2017年5月1日号掲載)