東洋紡はこのほど、100%バイオ樹脂のポリエチレンフラノエート(PEF)に関する日本国内での製造について、オランダのバイオベンチャーであるAvantiumと合意したと発表した。
PEFは、バイオ由来のフランジカルボン酸(FDCA)とエチレングリコールを重合して製造する樹脂。ラベルやパッケージなどの素材に活用されるPETに近い特性でありながら、フィルム素材やボトル成型した際、PETよりも高いバリア性を実現する。
Avantiumは、FDCAを糖質原料から高効率に製造する方法を独自開発。100%バイオ樹脂のPEFが製造可能となった。今回の合意により、東洋紡は岩国事業所(山口県岩国市灘町)でPEFの重合を行う方針。
PEFの市場展開について、東洋紡では三井物産を通じて樹脂やフィルムの販売を行うとしており、サンプル提供を2017年から開始する。また、ラベル分野の需要としては「ラミネート材のほか、インモールドラベルやラップラウンドラベルへの活用も可能。新たな用途展開ができるバイオ樹脂として期待している」と話している。
(2016年10月1日号掲載)