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ハイ・アングル 2013年11月15日号

ラベルなしの”顔ナシ”は信頼の欠如に

 自動車を購入する際、価格をはじめ馬力や操作性、居住性などを基準に選択する。しかし、中には自動車のフロント部分、いわば〝車の顔〟に惹かれ、買ったあとも長期間乗り続ける人がいる。そもそも車の顔は工業デザインの一部に過ぎないが、結果的にヘッドランプやグリル、バンパーが個性ある表情を醸し出す。愛車を「ハンサム」や「美人」と擬人化する気持ちも理解できる▼ある国産メーカーが20年ほど前、「次世代のカーデザイン追求」をコンセプトに車の顔を消失させたモデルを発表した。有名モータージャーナリストもそのコンセプトを高く評価。販売台数を大いに伸ばしたが、代を重ねるごとに低迷し、やがてブランドは潰えた。理由について、前述のジャーナリストが「デザインの没個性化」と分析していた▼ブランドオー ナーの多くはラベルを〝商品の顔〟と称する。スーパーやコンビニの陳列棚はライバル商品との激戦区。自社商品を消費者にアピールするため、ラベルにデザインや品質、機能を高く求める。しかし最近は、表面に何の表記もなく、裏面に内容表示ラベルのみが貼られた商品が棚に並ぶケースも現れた。コスト圧縮のためにブランドラベルを一切廃し、低価格化を優先した究極のケースと言える。その商品が何かは、透明パッケージから見れば分かる▼上向きつつあるとはいえ国内の景況感は依然として厳しく、さらに原材料の高騰による値上げや来年4月の消費増税を控え、少しでも安価な商品を求める消費者なら躊躇なく購入するだろう。そこに「ラベル不要論」が燻る▼確かに低価格は魅力だが、ラベルという顔のない商品は価格以外に何もないのと同義。ある酒造メーカーは「中身は丹精込めた自信作だが、売るにはラベルの力が必要」と言う。〝顔ナシ〟は信頼の欠如であることを、消費者は理解している。

 

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