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明昌、波形のセル形状 ラベル市場へ積極展開 インキ流動性の高いアニロックス

明昌㈱(大阪市淀川区西中島、宮﨑丹美社長、☎06・6304・8340)では現在、オランダ・エイペックスのアニロックスロール「GTT」に関する国内ラベル市場への販売展開を積極化している。フレキソ関連資機材の専門商社である明昌はこれまで、シームレス版や製版機器、アニロックス、洗浄資材などの輸入販売事業を推進。段ボールや軟包装などの分野で、高い実績を納めている。特に近年は、エイペックスが製造するGTTの国内販売に注力。パッケージ市場で採用が進んでいる。

エイペックスは1977年設立のアニロックスメーカー。欧州をはじめ北米やアジア地域でシェアを拡大している。GTTは、従来のアニロックスで採用される箱形のセル形状を廃し、セルピッチを細分化しつつ周方向の壁をなくすことでセルを波形化。インキの流動性を高めるとともに、ベタ濃度の確保と洗浄適性の向上が図られている。

従来のフレキソ印刷では、ベタと網点が混在する印刷を手がける場合、ベタ部分の濃度を高めると網点がつぶれてしまうため、セル線数の高いアニロックスを採用するなど、網点の再現性を優先するケースが一般的。必然的にベタ濃度が弱まるため、高粘度インキが使用される。しかし、この方法は、インキの使用量が多くコストアップの原因となるほか、ロングラン印刷の際にセル内でインキの目詰まりが発生し、安定したインキの転移に支障をきたすこととなる。さらに、印刷後の洗浄に多くの時間を要するなど、作業効率の低下が避けられない状況にあった。

このような課題に対し、GTTの波形セルは高いインキ流動性によって、ベタと網点が混在する印刷にもスムーズに対応。宮﨑社長は「ハニカム型のアニロックスは、インキに含まれるエアがセル内で細かい泡となる現象が発生し、インキ転移が不安定になるといったケースがある。GTTはインキが留まらずに、平滑なインキ層を保ちながら流動を続けるため、泡の発生がないというメリットもある」と説明する。

GTTは、素材のセラミック配合率について改良が施されているのも特徴の一つ。多孔性を下げつつ密度を向上することで、表面張力の改善と高硬度を実現している。

(2015年7月1日号掲載)

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