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ハイ・アングル 2015年4月15日号

「私は流行を作っているのではない。スタイルを作っているの」と言ったのはココ・シャネルだ。この場合のスタイルは「考え方や行動の仕方」とでも訳せばいいのだろう。彼女は「女性をもっと自由に」という自身の哲学でファッション業界に革命をもたらした▼先日、ある機械メーカーの方から「服飾業界では、デザイナーが商品をプリントする機械を指名する」との話を聞いた。アパレルメーカーが取り組むSPA(speciality store retailer of private label apparel)では企画から製造、販売までを一貫して行う。このため、売れない商品はすぐに生産中止、ヒットすれば大規模な増産がなされる。スピード勝負の世界では、デザイナーは製造現場や機械に詳しくなければ生きていけない。F1レーサーがマシンの性能や機構を熟知しているように▼一方、ラベル業界のクライアントはどうだろう。先日取材した食品関連の展示会。出展者に「ラベルはどこで作っていますか」といささか唐突な質問を投げた。そこで返ってきたのは、一般印刷の会社や包材メーカーの名前。中には「どこだっけ」といった答えもあった。やはり知られていないな、という印象とともにラベル業界から何か働きかけができないかとも思った▼ラベルは消費行動を決めるときの最後の一押しになりうる存在だ。それを製造する印刷会社を多くの食品メーカーは間接的にしか意識していない。「剥がしやすい」「不必要に剥がれない」といったラベルの機能にすら関心がない会社もある。一方のラベル業者も生産したものがどう使われるのかを知らない。この状況を一つずつ変えていくことが重要だ▼ココ・シャネルは「シンプルさはエレガンスの鍵」という言葉も残したが、ラベル業界も直接デザイナーから指名を受けるようなシンプルなスタイルに変わる時だ。

 
 
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