㈱谷口製作所(茨城県つくば市谷田部、谷口一社長)はこのほど、基材へのパターン塗工により、部分的にダイレクトサーマル層を形成する技術を確立した。粘着塗工も加えることでラベル化できるほか、カラーでプレ印刷を添えることも可能。可変印字向けの新たなメディアとして、今後具体的な用途の提案を強化する。
ダイレクトサーマルは近年、プリンタ出力される粘着ラベル用途に加えて、包装フィルムやタグ向けとしても用途が拡大。使用済みリボンによる廃棄ロスや情報管理上のリスクがある熱転写方式からの代替として医療用途での活用が期待されているが、印字面の耐薬品性や耐擦過性が課題とされていた。
また、発色剤やオーバーコート剤などの重ね塗りで形成するダイレクトサーマル層は現在、品質の安定などを理由に、コーターで全面塗工する製法が一般的。このため、印字が必要ない部分にも塗工されるケースが少なくなく、結果的に薬剤のロスが生じやすいという問題があった。
こうした状況を受けて同社は、自社設備であるカナダ・ETIの粘着塗工機「コヒージオ」を活用。同機に搭載している印刷ユニットを使った塗工技術の研究を進めた結果、ダイレクトサーマル層を部分的に設けたメディアの製品化にめどが立った。
問い合わせは同社(☎029・836・8910)まで。
(2015年4月15日号掲載)