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日印産連、セミナーでデジタルの展望示す

㈳日本印刷産業連合会(稲木歳明会長)は3月17日、東京都中央区新富の日本印刷会館でデジタル印刷に関するセミナーを開催し、印刷会社などから約180人が参加した。

日印産連のデジタルプレス推進協議会座長を務める相馬謙一氏(㈳日本印刷技術協会専務理事)が、同連合会傘下の印刷会社を対象に毎年行っているデジタル印刷関連のアンケートについて報告。昨年9月に調査した2013年の実態(回答企業143社)を解説し、A4判換算で月10万㌻以上のデジタル印刷を行っているとの回答(36社)が大手企業に限られなかったことから「デジタル印刷ビジネス成功のチャンスは、企業規模とは必ずしも関連していない」と述べた。

相馬座長はまた、設備ごとに「売上高が1位のデジタル印刷物」を調査した結果を紹介。前回3番目に多かった「シール・ラベル」との回答が今回5位で、大量にデジタル印刷する企業からの回答が特に少なかったことを指摘し、デジタルラベル印刷で安定受注の確保が課題となっている現状を示唆した。

また「デジタル印刷の展望」と題したパネルディスカッションでは、印刷会社や業界団体からパネリスト4人が出席。「当社グループを含め、デジタル印刷の推進役が担当者レベルから経営陣に移っており、設備の導入がトップダウンで迅速に進められるようになったと感じる」(共同印刷・下垣弘行氏)、「軟包装印刷でグラビアとデジタルの〝いいとこ取り〟を狙う戦略について、ブランドオーナーの理解が得られてきた」(㈱精工・中田順也氏)との報告があった。

デジタル印刷によるビジネスの成否を決める要素については「毎月確実な受注が見込める案件の獲得」(錦明印刷㈱・林誠英氏)、「中間業者を介することなく継続的に受注する仕組みづくり」(日本フォーム印刷工業連合会・山口実氏)と、受注基盤の安定を重視する見解が相次いだ。

 

(2015年4月1日号掲載)

 
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