左はラベル新聞の創刊号1面。1969年6月1日、本紙は誕生した紙面をめくると『普及著しい粘着ラベル・伸びる一方の需要量』『粘着剤の改良急テンポ』『現代の花形』の見出しが躍る。
決して創刊の勢いを借りた美辞麗句ではない。7月1日号で粘着紙は2500万平方㍍、24億円といずれも前年比約20ポイント増の大幅な上昇を報じる。高度経済成長の第二期のただ中、印刷産業に従事するわれわれは上だけを見ていた。それから45年。わが国の印刷産業は岐路に立っている。一般印刷に対して特殊印刷とマイノリティーだったシール・ラベルは今、〝情物一致〟の特異性と高度な〝抜く・貼る・巻く〟加工技術で一線を画し、独自の立ち位置を確立し始めた。〝斜陽〟の海原に漕ぎ出す航海士の一の指標として、この先も業界唯一の公器として責務を全うし、シール・ラベルと印刷産業の発展に奉じる所存だ。