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ハイ・アングル 2014年5月15日号

SNSで話題になる日望まれる「すごすぎるラベル印刷」

「美しすぎる深夜のコンビニエンスストア」がSNSを通じて話題になっている。この店舗は特別な商品を売っているわけではなく、内装も普通のものだ。しかし、深夜のその店の陳列はまさに完璧。商品が棚の奥まで隙間なく並んでいるのはもちろん、ラベルやパッケージなどが「気をつけ」したように整列している。その趣は「一幅の絵画」だ▼陳列に過大な労力を使うことの善しあしは別として、一種の職人技には拍手を送りたい。この技のすごさは、誰でも見た目の違いがわかること。逆に素人が見て違いが理解できなければ、あまり意味がない。神は細部に宿るというが、宿った神が現れないケースは自己満足にすぎない▼最近取材したあるラベルユーザーは「ラベル屋さんを含む印刷会社の方は、機械や技術のすごさを説明されることが多いが、理解できない。思わず、当社のどういった商品で役に立つのかと聞いてしまう」と話す。技術はあっても相手に伝わらなければ意味がない。もちろん、自社の技術を製品化し、形にしているラベルコンバーターがあることも知っているが、やはり受注産業、設備産業から脱しきれていないという印象なのだろう▼「日本のラベル印刷技術は世界最高水準」とは、業界内の共通認識。しかし、業界外で、その価値が伝わっているだろうか。あるラベルコンバーターは「ラベル印刷をしています」と自己紹介しても「そんな仕事があるんですか」と驚かれてしまったと嘆く。業界外では「ラベルは一般印刷会社のどこかで刷っているという感覚で、存在感が薄い」とも▼さて、本当の意味での「すごいラベル」があるとすれば、ユーザーのビジネスにつながり、それを誰でも理解できることが重要な要素ではないだろうか。美しすぎるコンビニのように「すごすぎるラベル印刷」がSNSで話題になる日を待ち望む。

 

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