㈱トッパンインフォメディア(東京都港区芝浦、堀正史社長、TEL03-6367-5550)では、ラベル向けセキュリティー技術の開発を推進。その一環として、電子写真(EP)方式のデジタル印刷機「HP Indigo6900」とフレキソ方式のコンベンショナル機による印刷を組み合わせ、高レベルのセキュリティー効果を実現する独自技術を確立した。
同技術は①マイクロテキスト②ステルスコード③ナンバリング④チェンジング、以上4つのセキュリティー機能で構成。このうち①②③はHP Indigoで、④はコンベンショナル機で印刷している。
①は文字サイズ1ポイントの極小テキストをHPの特殊液体トナー「インビジブルイエロー」で印刷。同トナーはブラックライト照射時に文字が浮かび上がる。トッパンインフォメディア事業企画部の柿沼健一係長は「1ポイントの文字は凸版方式などコンベンショナル機での再現が難しいことを鑑み、HP Indigoで印刷した」と説明する。
②は①と同様、インビジブルイエローを用いて2次元コートを印刷。ブラックライトの照射でラベル表面にコードが出現する。2次元コードはトッパンインフォメディアのオリジナルアプリ「ステルスコードシステム」と紐づけることで、トレーサビリティーなどの情報が提供可能。さらに③は可変情報のナンバリングをメタリックのシルバーで印刷している。
④はフレキソ方式のコンベンショナル機で印刷。見る角度(視角)でラベルの図柄が変化する効果を得るが、そのために図柄ごとで異なる溝を印刷する必要がある。そこで同社は超高精細印刷により、厚み100μmといった薄型基材へのチェンジング加工を実現する独自技術を応用した。
同ラベルは米HPがアジア・パシフィック地域で開催した「HP INKSPIRATION AWARDS 2022」のセキュリティーラベル部門で「GrandWinner」を獲得。柿沼係長は「今年は当社が日本企業で唯一の受賞。当社の技術が認められたことを光栄に思う」とコメントした。
〈写真〉ブラックライトの照射でマイクロテキスト(右下)やステルスコード(左下)がラベルに表れる機能も
(2022年11月1日号掲載)