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ハイ・アングル(2021年12月15日号掲載)

▼パンデミックから始まり長期間にわたる緊急事態宣言、東京オリンピック・パラリンピックの開催、デジタル庁の発足に首相交代、相次ぐ自然災害、グローバル規模のサプライチェーンの混乱など、今年も激動の1年となった。来年こそは正常化を迎え、感染症に振り回されることのない経済活動の再開が望まれる

 
▼帝国データバンクのリリースによると、2021年度上半期の国内企業の倒産件数は2,938件で、1966年度以来55年ぶりの3,000件割れを記録。宿泊業や飲食業などは苦戦を強いられているものの、中小企業を中心に持続化給付金などを活用し手元資金の枯渇を回避しているとの分析がなされている。依然として先行きは不透明だが、来年の揺り戻しによる需要増に期待したい
 
▼先日、東京ビッグサイトで開催された展示会「エコプロ」では、SDGsの目標達成に貢献する多彩な製品・ソリューションが並んだ。その中で出展者から「『SDGs=環境負荷低減』と思われがちだが、サスティナブルというのは企業が健全に成長していく持続可能性も意味している」といった声が挙がった。「環境対応型基材への切り替えの差額をサプライヤーが吸収する」「安心・安全を実現する全数検査のコストや手間を印刷会社が負担する」のではなく、サプライチェーン全体で持続可能な収益モデルを築いていくことがSDGsの本懐というわけだ
 
▼「目標とターゲットがすべての国、すべての人々、およびすべての部分で満たされるよう、誰一人取り残さない」というのがSDGsの趣旨。受注型産業である印刷業界が発注側の上流工程との関係を深め、取り残されないために何ができるか。そろそろ目標の30年までの折り返し地点を迎えるSDGsをきっかけに、ラベル業界も転換点を目指す時。業界外も巻き込み変革を起こせるか。
 
(2021年12月15日号掲載)

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