大王製紙は、抗ウイルス・抗菌機能を付加した「ヴィレス粘着シート」を開発した。㈱NBCメッシュテックの特許技術「Cufitec(キュフィテック)」を用いて、PET基材に抗ウイルス・抗菌の効果が得られる一価銅化合物をグループ会社であるダイオーペーパープロダクツ㈱の独自製法でコーティングしたもの。すでに自動販売機のボタンに貼付する用途で採用実績があり、引き合いも増加している。
消費者の衛生に対する意識の高まりを背景に、パッケージやラベルなどにもウイルスや細菌を抑制する機能を求める声が増えている。これを受けて同社は昨夏、Cufitecの技術を活用することで、抗ウイルス・抗菌フィルム「ヴィレス」を開発。PETに一価銅を混合した樹脂を厚く平滑に塗工することで、機能の向上を実現した。すでにフィルム単体の製品として販売している。
新製品は基材が厚さ25μmのPETで、超強粘の溶剤型粘着剤と片面ポリラミ加工の上質剥離紙を採用した「強粘タイプ」を、1,060mmの幅取りで、長さは50mから50m単位で先行販売する。加えて同基材・同剥離紙に再剥離機能の溶剤型粘着剤を塗工した「再剥離タイプ」と、シリコーン型粘着剤、発泡PETの剥離フィルムを採用した「微粘タイプ」もラインアップ(受注生産)。同様に基材の種類や厚み、粘着剤など用途に応じたカスタマイズにも対応する。
新製品はコンベンショナル機による印刷のほか、レーザープリンタの印字後(網点濃度設定30%)でも効果が持続。同社では、ラベルを含む印刷物のオーバーラミネート材をはじめ、不特定多数が接触する液晶タッチパネルやボタン、ドアノブなど幅広い用途での採用を見込む。
問い合わせは、情報用紙部タック紙課(☎03-6856-7548)まで。
〈写真〉幅広い分野での採用が見込まれる「ヴィレス粘着シート」
(2021年5月1日号掲載)