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ハイ・アングル(2021年6月15日号掲載)

▼全国的に例年よりも早い夏日が訪れ、マスクも相まって蒸し暑い日々が続く。この時期に欠かせないエアコンだが、在宅勤務によって各家庭の電力使用量は上昇するものとみられる。しかし、オフィスの空調設備などの消費電力が削減される分、トータルで鑑みれば在宅勤務はCO2の削減効果が認められるとする環境省の試算も

 
▼環境配慮の御旗のもと、プラスチック製POPや「カップヌードル」のフタ止めシールが廃止されるなど、ラベル業界に逆風が吹く。他方、脱プラ・廃プラ基調の中、スーパーマーケットをはじめとした小売店舗では青果や総菜コーナーなどで、安心・安全のために個包装化が進行。「プラスチック素材の使用量が増加し、予期せぬ延命措置になった」とするラベル・パッケージ業界人の声も。この機を逃さず、プラスチックが持つ衛生性などの役割を訴求したい
 
▼(一社)全国清涼飲料連合会の発表によると、日本のPETボトルリサイクル率は85.8%。欧州の39.6%、米国の20.3%と比較しても非常に高い水準であり、これらの数値はSNSでも注目され話題になった。マテリアルかケミカルか方式の違いはあれども、リサイクルの仕組みづくりで優れた実績があることを証明している
 
▼ラベル印刷会社の米CCL Labelは、ストレッチラベルの完全循環型ソリューションを発表し、リターナブルボトルで採用を見込む。日本でも日用品などのボトルを洗浄して再利用する流通プラットフォーム「Loop」が展開され、ラベル・パッケージの循環ソリューションへの関心が高まっている。「プラスチック=環境に悪い」といった偏った世論に走らないよう、ラベル業界もリサイクル手法を確立し明確なデータに基づく反論を示したい。熱い議論の前には、リターナブルびんのビールやラムネを飲んで熱中症対策も忘れずに。
 
(2021年6月15日号掲載)

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