久保井インキ㈱(大阪市東成区東今里、久保井伸輔社長、☎06-6973-6211)は、UV硬化型の抗菌インキ「UVエース K1抗菌インキ」を開発した。(一社)抗菌製品技術協議会の「SIAAマーク」の認可が下りる見通し(4月1日付で取得済み)であるほか、久保井インキでは抗ウイルス機能を有したUVインキも開発中。すでに検証機関へ試験依頼を提出済みとし、シール・ラベル用として初の抗ウイルスUVインキの開発にも期待がかかる。
シール・ラベル印刷向けに特化したUV硬化型をはじめ各種インキを製造販売する久保井インキは、旗艦モデル「UVエース」シリーズを1976年から展開。
誕生から45年の今年誕生した新開発の「UVエース K1抗菌インキ」は、抗菌性評価試験(JIS Z 2801:2010)で黄色ブドウ球と大腸菌への抗菌性能が確認されたUV硬化型抗菌インキとなっている。
同インキの特徴は、印刷面全面に抗菌機能を発現させた点。抗菌機能とは通常、インキに含有した抗菌剤へ菌が触れることで効果を発現する。このためインキ表面に抗菌剤がわずかに表出する状態が理想とされ、インキが多いと同剤を被覆するため抗菌機能が規定値を下回る場合がある。新インキは独自の設計のもと、盛り量の増減による抗菌性能の下落はほぼなく、また抗菌効果について印刷面全体で発現させるという。
UVエースの従来品とほぼ同様の発色や濃度、硬化性を実装する抗菌インキは、プロセス4色のほか金赤や草、紫、白、ローズ以外にメジュームやOPニス、特練りにも対応。適切な機能発現のため、インキの混合はシリーズ同士で行う必要があり、希釈する場合は専用のコンパウンド、レジューサーを用いる。
(2021年2月15日号掲載)