水曜日, 11月 6, 2024
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キソ化成産業 レーザープリンタ対応抗ウイルス・抗菌フィルムラベル開発 複合機で安心も大量〝複写〟、商流活かしオフィス保護へ

キソ化成産業㈱(大阪府東大阪市川俣、中島啓社長、東京オフィス・☎03-6206-3355)はこのほど、基材上に抗ウイルスと抗菌効果を付与したシートの「抗ウイルス透明光沢フィルムラベル」を開発した。電子写真方式用で、オフィスや家庭のレーザープリンタを用いて、必要な情報を表示した抗ウイルスラベルを少量から自在に製作できるというもの。

 
   ◇◇◇
 
フィルムコンバーターである同社では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、自社の粘着塗工と加工技術を応用した各種衛生管理製品を発表。〝軽量・簡単・低価格〟を掲げたPET素材の間仕切り「ディスタンスパネル」や、調整バンドをジャストサイズでしっかり固定できるよう留め具にエラストマーを採用した「フェイスプロテクタ」、ほかにも2ウェイ式のクリアマスクにマスクケースと、フィルム加工の知見を活かした開発品を送り出す。
 
複合機メーカー各社の推奨紙として各種フィルムシートのOEM供給を請け負うキソ化成産業は今回、これら既存の販路や商流を活用した、オフィスや店舗の抗ウイルス・抗菌化支援に着目。ドアノブや電話の受話器など、共用部やオフィス機器の防疫に寄与する策を考案した。
 
新開発品は、透明PETに抗ウイルスと抗菌処理を施したもの。試験方法として前者はISO21702、後者はJIS Z 2801に準拠した検証結果によると、活性値はどちらも24時間後に「2.0以上」を記録。抗ウイルスおよび抗菌性能がある、と判断できる効果を持つという。
 
A4サイズの抗ウイルス透明光沢フィルムラベルを対象の形やサイズに併せて自由にカット、そのまま貼っても見た目の違和感がなく菌の増殖を防いだり、ウイルスを不活化したりできる。また『抗ウイルス処理済』のように、衛生管理を施していることを利用者により伝わるよう色使いやデザインを加えたラベルをレーザープリンタで一度に複製すれば、より効果的な空間保護が望める。
 
A4サイズ50枚セットで、価格は1万6000円(税別)。A4以外も応相談。
 
〈写真〉必要な情報を印字してドアノブや文房具を「保護」
 
   ◇◇◇
 
中島信専務取締役との一問一答は以下。
――特徴やポイントを
「透明のPET素材という点に重きを置いている。印刷を施さなくても、ただカットして貼付するだけで、いかにも〝何か貼ってます〟という異質感を出さず、さりげなくもきちんと安心・安全を確保してもらえることを意識した」
 
――運用の妙など
「金属イオンを担体とする抗菌剤を含有したフィルムなので、基材が削れるなどしない限り効果は原則持続する。一方、フィルム上に定着したトナーは、多くの人が触れ続けることで薄くなったり取れたりする懸念も。その対策として、例えばバー状の取っ手に貼る場合は、被着対象と同サイズのラベルにするのではなく少し長めにカットしておく。余剰部分をくるっと巻き付けて二重貼りにすれば、ラミネート効果になり表面保護をしてくれる」
 
「加えて言えば、トナーを吹いた部分は無地部分に比べて抗ウイルス・抗菌効果は多少なり減衰するもの。その文字部分を無地で覆うため、本来持つ効果を発揮させられる。基材が透明であること、フィルム厚が薄い25マイクロメートルという条件を有効に生かした対策だ」
 
――推奨の使い方
「街で〝この店よさそうだな〟と、入ろうとしてドアに触れようとした瞬間に抵抗が生まれる。そこに抗ウイルス処理済み、と貼られていたら入店を躊躇わせないだろう。ほかにも、冊子など少量の配布物を自社で出力から加工まで処理したり、社名やロゴを入れた保護ラベルを販促物として配布したりも。印刷会社各位も、店舗から依頼を受けたら、デザインして面付け・出力・カットまでして収めるといった新規サービスで開拓いただけるのでは」
 
――最後に総括を
「抗ウイルス、抗菌に対する意識の変化は、一過性のものではないだろう。少なくとも収束するまでの数年は、何らかの対策を講じることになるのでは。そうした視点から、持続的に社会の安心と安全の一助となり得るものを生み出したい。キソ化成産業らしい商材を一つラインアップしたい、と思っていた」
「フィルムの衝立からフェースカバー、マスクケースに和紙マスクまで出すなど傍から見たら『あの会社なにしてんねん』と映っていたかもしれない。右往左往したが、その末にフィルムコンバーターとしての源流、ようやく〝らしさ〟が活きる本流に立ち帰った。やり続ける中で多くの発見もあり、それがあってこそたどり着いた。抗ウイルス透明光沢フィルムラベルが誕生した今、無駄な鉄砲も打ち続けてきてよかったかなと実感する」
 
(2020年11月15日号掲載)

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