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三條機械製作所、セクショナルドライブ方式を採用 新型凸版間欠機「NSRe-250」開発

㈱三條機械製作所(新潟県三条市猪子場新田、松崎仁社長、TEL0256-45-3131)はこのほど、新型の凸版間欠機「NSRe-250」を開発。10月1日から、本格的に販売を開始した。操作性の向上と〝ゴーストレス〟を実現する高い印刷品質の両立を目的に、シャフトレス機構を採用。多品種小ロットかつ高付加価値なラベル製造を手がける印刷会社に向けて、PRに努める。

同社はこれまで、ラベル印刷会社のニーズに応え、イニシャルコストを抑えた省スペース設計の小型凸版間欠機を積極的に販売展開。中でもシャフトドライブ方式の「NS-250」は2003年の発売以降、ラベル市場で小型凸版間欠機の先駆けとして認知されており、着実に販売台数を伸ばしてきた。
新機種のNSRe-250は、各ユニットが独自駆動のセクショナルドライブ方式を新たに採用。同社がこれまで培った凸版間欠機の技術ノウハウに基づき、高速稼働でも安定した見当精度を実現した。また、見当合わせの微調整はタッチパネルで行い、各ユニットで最小0・01ミリ単位による調整が可能。さらに従来機で信頼を得ている蛇行修正装置に、ハンドル操作の微調整機能を追加するなど、印刷品質の向上を支える機構が搭載された。
新機種の特徴として挙げられるのが、ゴーストの発生を極限まで抑制する独自のロール配列。ゴーストは一般的に、インキの着けロールが版面へ着肉する際に発生するトラブルとされる。この課題克服に向けて、同社では入念なシミュレーションを繰り返し、最適なロール配列を算出。新機種に採用したことで、ゴーストレス化に成功した。ゴーストについてはこれまで、対応が困難といった認識のもと、ラベルデザインの制約や品質での妥協が多かったが、これらの大幅な緩和が可能となる。
操作性に関しては、従来の機能を継承しつつ向上が図られた。版シリンダーのセットを簡易化したほか、印圧の入り・切りならびに再現もレバーによるワンタッチで操作。タッチ回数にこだわった操作面での改良と工夫を要所に施している。また、インキの繰り出しについては、数値化とともに印刷速度の変化に追従する機能を付加したことで、インキ量を一定に保つ効果が得られるプログラムを標準装備。スムーズなジョブチェンジと安定した高速稼働を実現する。
新機種は4色ユニットで平抜き・ラミネート加工機構の搭載がベーシックモデルとなるが、ユーザーの要望に応じてカスタマイズに応じる方針。なお、主な仕様は次の通り。▽紙幅…50〜250ミリ▽送り長…10〜260ミリ(条件による)▽最大印刷面積…240(W)×255(L)ミリ(同)▽印刷速度…毎分210ショット(同)
同社の小型凸版間欠機はこれまで、NS-250に代表されるようにシャフトドライブ方式が採用されている。これは、駆動モーターの搭載数を限定することで、電気系トラブルの抑制やイニシャルコストの低減などといった目的がある。また操作性も、独自開発の先読み制御により安定した見当精度を実現。ユーザーから高い信頼を得てきた経緯がある。
今回、NSRe-250にセクショナルドライブ方式を採用した理由について、開発に携わった機械本部営業部の熊倉敏郎部長は「そもそもシャフトドライブ方式とセクショナルドライブ方式は、それぞれメリットが異なり〝一得一失〟の関係にある。シャフトドライブは小型設計の点で優位といった特徴があり、課題とされていた見当精度についても、当社の技術力により克服できたと自負している。一方で、生産効率の向上といった観点から、操作性を重視するユーザーの声があり、そのニーズに応えるため、新機種はシャフトレスを選択した」と説明する。
開発に際しては、ラベル印刷会社の意見を幅広く反映。「特に㈱ワールドプリンターさまから、設計の段階でご要望をいただき、NSRe-250に盛り込んだ。当社がこれまで培った技術ノウハウに基づき、新たな電子制御システムを採用しており、操作性はもちろん、高い見当精度や導入しやすい価格帯など、ラベル印刷機のコモディティー化に挑戦した結果の優れた性能を実現した」(熊倉部長)としている。
新機種はすでに、ラベル印刷会社数社への納入が決定。今後の販売展開について、同社では今年度中に内覧会を予定しているほか、全国のラベル印刷会社に、動画配信やカタログ配布などを通じて、新機種の機能を訴求する。
 
〈写真〉各ユニットが独立駆動の「NSRe-250」。独自のロール配列により、“ゴーストレス化”を実現する。印刷品質や操作性も向上
 
(2020年10月1日号掲載)

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