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サントリー食品インターナショナル、剥離性向上したキャンペーンシール導入 PETボトル向けにフジシールと開発

サントリー食品インターナショナル㈱(東京都中央区京橋、齋藤和弘社長、TEL03-3275-7310)はこのほど、㈱フジシール(東京都千代田区丸の内、松㟢耕介社長、TEL03-5208-5900)とともに、飲料用PETボトルからの剥離性を向上したキャンペーンシールを開発した。剥がした際、ボトルにのり残りが発生しないといった特徴を有する。サントリー食品インターナショナルでは、容器のリサイクルに配慮した製品として、4月から販売を開始した「ペプシスペシャル」での採用を皮切りに、他商品へ順次導入する方針。

サントリー食品インターナショナルではこれまで▽リーチインを含めた店頭でのアイキャッチ▽消費者にキャンペーンへの参加を促すQRコードやシリアルナンバーの表示▽応募券、などでキャンペーンシールを活用してきた。
特に近年は、人手不足などの理由によって、POPラベルの貼付が難しい状況となっており、同社では「キャンペーンシールは、アイキャッチといった観点から、消費者への重要なコミュニケーション手段となるなど、売り上げアップに寄与する場合が多い」と話す。
キャンペーンシールは現在、多くの飲料用ボトルで使用されているが、いずれもボトルとシールの粘着性が非常に強く、消費者などがシールを手で剥がす際に強い力が必要となり、きれいに剥がそうとしてものりがボトルに残るケースが少なくなかった。
このような背景から、同社はフジシールとともに、剥離性を向上したキャンペーンシールを開発。「手による剥離性」と「リサイクル工程での剥離性」の双方を兼ねた新たな粘着剤の設計に成功した。
新粘着剤について、開発に携わったフジシールでは「PETボトル向けのキャンペーンシールに使用する粘着剤は、再剥離性と容器への貼付適性がトレードオフの関係にある。しかもボトルのように肩部のわずかな面積へ高速貼付を行う場合、バランスをとるのが難しく、かつリサイクルでラベルを脱離させる機能を付加する必要があった」と説明。このような性能を考慮して開発が進められた。
リサイクル工程での剥がしやすさといった点では、たとえ手作業でシールを剥がし損ねた場合でも、PETボトルの粉砕後に粘着剤付着部分以外を風力で取り除く「風力分離」工程を経て、アルカリ洗浄を行い、粘着剤は除去される。サントリー食品インターナショナルによると「アルカリ洗浄での剥離率が99%に達するなど、剥離性の改善が図られた」としている。その後、比重・遠心分離工程でシール基材を除去し、リサイクル可能なフレークへと仕上げる。
サントリーグループでは、Reduce(使う量を減らす)、Recycle(再資源化して使う)、Bio(植物由来の資源を使う)を表す「2R+B」を掲げ、軽量PETボトルの導入や薄型ラップラウンドラベルの実用化を推進している。
さらに、飲料用PETプリフォーム製造の「F to Pダイレクトリサイクル技術」を世界で初めて導入。純粋な石油由来原料を使用した場合と比較して60%以上のCO2削減に貢献するなど、さまざまなソリューションに取り組んでいる。
サントリー食品インターナショナルは「当グループとして今後、容器を取り巻く環境対策に向けて積極的に取り組み、地球環境の保全活動を一層強化したい。新開発のキャンペーンシールに関しても今後、貼付対象のPETボトル飲料に随時導入していく」とコメントしている。
 
(2020年6月1日号掲載)

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