米エイブリィデニソンは4月、金属対応型のUHF帯RFIDラベルをグローバルで上市。これを受けてエイブリィ・デニソン・ジャパン・マテリアルズ株式会社(東京都港区海岸、キョン・スー・チャン社長)はこのほど、同ラベルの国内販売を開始した。
RFIDは入出庫管理や資産管理、棚卸や決済を即時実行する自動認識技術として物流、製造、流通といった分野で広く利活用される。性質上、電波を吸収したり反射したりする液体や金属を苦手としており、運用時には厚手の特殊素材で被覆させるほか、タグの一部が被着体から飛び出すようにずらして貼付することで受信に対応している。
今回発表したのは、幅広サイズの「AD-454r6-P」とスリムタイプの「同456u8 FCC」の2種。いずれも被着体からずらして貼ることなく、金属に直接貼付しても運用可能なモデルとなっている。
想定する運用例は、製造現場の工具や鉄製のカーゴといった物品管理など。同社はこのほかに、タブレットをはじめとする電子機器類の在庫管理用途についても有益性を指摘する。
上市に際して、同社担当者は有効性を次のように説明している。
「金属対応型として従来、厚い素材や容器でタグを覆うなどして運用していた。インレイから粘着ラベルまで自社で製造加工し、一気通貫でRFタグを提供できるエイブリィデニソンは、金属対応用に設計されたタグの量産化を実現。より薄くて小さい、コスト面でも優れた新製品が誕生した」
「金属対応型として特に需要が期待できるのが、高価なノートパソコンやタブレットの在庫管理用途だ。これから大きな国際イベントが控える中、薄くスマートに貼れるRFIDラベルで在庫の一括管理にぜひお役立ていただきたい」
ラベルサイズは幅広タイプが70×19ミリ、スリムタイプが65×6ミリ。いずれもPETの表面基材に印刷適性を有し、また使用粘着剤はマイナス40度から85度の温度帯に対応している。
販売形態として同社ではロール単位を想定しており、通常サイズのAD-454r6-Pは1ロールあたりRFIDラベル500枚、また同456u8 FCCは1662枚となる。
問い合わせは同社(TEL03-5776-1771)。
(2019年5月1日号掲載)