サトーホールディングス(株)は2月5日、「平成26年3月期 第3四半期決算」(連結、累計)を発表した。
同期売上高は前年同期比8.8%増の707億200万円、営業利益480億300万円(同26.9%増)、純利益51億7,300万円(同45.9%増)、四半期純利益は32億8,600万円(同1057.7%増)となった。
同グループは、「グローバル化と顧客価値の最大化を追求する」ことを基本戦略に、①日本の事業部制の成功を国別に移植②新興国成長市場の開拓③高収益サプライ事業の確立④収益力強化(事業、用途、製品、コスト)⑤全体最適化(IT、SCM、財務、j人材育成)⑥環境保全ビジネスの本業化、の6点を中心に展開している。これにより、海外事業における売り上げ回復と収益改善が図られたほか、日本においても今期から順調に回復。第3四半期連結累計期間として、売上高、営業利益、経常利益、四半期純利益ともに過去最高を更新した。
セグメント別の状況は下記のとおり。
【日本】
これまで製造業を中心に設備投資需要については慎重な姿勢が見られ、運輸配送業向けなど非製造業向けを中心に合理化需要は限定的だったが、当第3四半期に入ってから、次第に消費にけん引される形で生産活動にも回復傾向が現れた。こうした景況感改善の動きをとらえた積極的な営業活動を展開したことで、用途開拓の成果が徐々に顕在化し、電子プリンタを中心とするメカトロ製品の引き合いが活発化するとともに、サプライ製品の需要も回復している。今後は、一層のコストダウンへの取り組みを強化するほか、成長市場の開拓や用途提案による新たな需要開拓を進めていく予定。また、2014年4月からの消費税率変更需要も徐々に動き出しており、ノウハウを最大限生かした営業活動を展開して行く計画。
同セグメントの売上高は494億9,100万円(前年同期比1.5%増)、営業利益33億4,600万円(同2.3%増)。
【米州】
北米市場においては、運輸業界向けや食材管理用OEM商談が堅調だったほか、アパレル向けのレーザープリンタの引き合いが増加するなど好調に推移した。南米市場においてもACHERNAR社(アルゼンチン)の業績が順調に寄与している。
これらの取り組みにより、売上高は69億2,000万円(同31.1%増 [為替影響を除く同5.5%増])、営業利益3億7,600百万円(同87.6%増)となった。
【アジア・オセアニア】
アジア市場は、新興国の経済成長のペースが鈍化していることから力強さに欠けるものの、第2四半期より回復基調となった中国市場や、前年度下期に営業を開始したインドネシア及びベトナムの売上が新たに加わるなど、新重点市場が計画通りに伸長し前年を上回った。
アジア新興国での中間所得層の拡大を背景とした日系企業のアジアシフトへの動きをとらえるのと同時に、安心・安全への需要が拡大する傾向から、「ヘルスケア、自動車、運輸・物流、総合スーパー・コンビニ」の4業種について日本に専任チームを設け支援を強化している。
オーストラリアは、独自のRFID技術を持つMAGELLAN TECHNOLOGY社の事業を譲り受け、2013年12月から同社現地法人SATO VICINITY PTY LTD.として営業を開始。特にヘルスケア市場において実績のある同技術の獲得により、同社グループはICチップやタグ、RFIDプリンタ、RFIDリーダー等の機器、トレーサビリティなどのシステム、保守までをワンストップで提供できる唯一の企業となった。今後ヘルスケア市場へRFIDソリューションの拡販を加速化していく計画。
これらの取り組みにより、売上高は90億600万円(前期比29.4%増 [為替影響を除く同5.6%増])、営業利益10億1,200万円(同135%増)となった。
なお、通期連結業績については、海外の収益性が大きく改善しているほか、日本市場では消費税率変更需要の高まりなどを受けて、営業利益を上方修正。経常利益、当期純利益についても、円安の進行に伴う為替差益を当期で計上したことで、前回発表の業績予想を上回る見込み。
同業績予想は、売上高960億円、営業利益66億円、経常利益69億円、当期純利益41億円を予想している。