株式会社岩田レーベル(愛知県一宮市三ツ井、岩田真人社長、TEL0586-76-1611)はこのほど、反り上がって開封痕を残す医療・医薬品分野向けの「開封確認ラベル」を開発した。
同ラベルは、「TOKYO PACK2018」で初披露されたもの。パッケージに貼付されたラベルをカッターなどで切断すると、ラベルが反り上がり、一目で開封済みであることが視認できる仕組みとなっている。ラベルの両端にだけ粘着剤が塗られており、切られた際に反り上がるよう、基材にも同社独自の加工が施されている。
昨年、国内でC型肝炎治療薬の偽造品が正規品と同等に扱われ、薬局で患者に調剤される事件が発生。海外でも医薬品に毒物が混入される事件が起こるなど、医療・医薬品の安全を求める声は一層高まっている。8月には厚生労働省から各都道府県知事や保健所設置市長らに「医薬品の封の取扱い等について」の文書が通知された。その中で「医薬品の封が開かれているかどうか販売包装単位の外観から容易に判別し、封の状態に疑念がある場合には容易に気づくことができるよう、封や容器又は包装に工夫を施すこと」といった記述があり、ラベル・パッケージによるセキュリティー対策が急務となっている。
岩田レーベルの担当者は「ラベルを剥がすと文字が転写されたり、ラベル自体が破れたりするなど、改ざんや偽造防止タイプの製品はこれまでも扱っていた。ところが、パッケージの開け口に沿ってラベルを切ると、従来品では開封済みであることがパッと見て分からない。医療現場では、作業性向上のためにカッターでラベルを切るケースも多いと聞いた。意図的な偽装はもちろん、現場のこうした習慣に基づくミスや事故が起こってしまう可能性を防ぐ効果が期待できる」と特徴を話す。
医療・医薬品分野に多数のラベルを供給する同社は、今後も付加価値の高いセキュリティーラベルの提案に注力していく。
(2018年10月15日号掲載)