(株)ミヤコシ(千葉県習志野市津田沼、宮腰亨社長、TEL047-493-3854)では現在、オフセット間欠機やデジタル印刷機をベースに、高品位印刷と多品種小ロットの双方のニーズに対応するソリューション開発に注力。ラベルやパッケージ分野に向けて提案している。特にオフセット間欠機は、軟包装印刷に対応する新機種の開発が最終段階に入っており、来春の正式発表に向けて最終テストを実施。また、デジタル印刷機に関しても「OPEN HOUSE2017」などを通じて、国内外のラベル・軟包装市場に訴求している。
同社はこれまで、高機能・高品位ラベルの製造に適するオフセット間欠機として「MLP」シリーズを展開。インラインでの部分粘着塗工や裏面印刷などさまざまなオプションが搭載可能であり、また自動見当装置など独自機構による高い見当精度を実現する機種のため、日本のみならず海外で販売実績を収めている。
さらに同社では、オフセット間欠機の特徴である「高品位印刷の実現」と「多品種小ロット対応」に注目。見当精度に高いポテンシャルを持つMLPシリーズをベースに、軟包装フィルムを対象とした新機種の開発に着手した。
薄い軟包装フィルムへの印刷は、グラビアやフレキソが多く採用される。一方でオフセットや凸版は、ウェブのテンションコントロールが難しいといった理由から、ライン型よりもCI型が多く活用されている。しかし近年は、軟包装分野でも多品種小ロットのニーズが高まっており、印刷産業界に対応が求められていた。同社の新機種開発には、このような背景がある。
新機種は、間欠送りによって強くかかりがちなテンションをコントロールする独自機構を搭載したほか、UVインキ硬化の熱発生を抑制するLED-UV照射システムを採用。これにより、強いテンションや熱に弱い軟包装フィルムに対して、見当がずれることなく高品位な印刷を小ロットでも対応可能にする。なお独自機構について、担当者は「現在、複数のテストを実施している段階にあり、詳しい説明は控えたい。ただし1号機はテスト段階でユーザーから高い評価を得ており、手応えを感じている。正式発表は来春を予定」と話している。
このほかにも、MLPシリーズの新機種として、エントリーモデルの「L型」を日本のラベル市場向けに積極展開する。コンパクト化を実現し、オフセット印刷に初めて取り組む印刷会社が導入しやすい価格設定となっているのが特徴。
また、ラベル向けデジタル印刷機として、水性インクジェット方式の「MJP13LX」と電子写真方式の「MKD13A」を訴求する。いずれも高品位印刷と多品種小ロットへの対応機として拡販に努める。
同社は2017年11月27日と28日、千葉県八千代市大和田新田のテクノセンターで「OPEN HOUSE2017」を実施し、700人が来場。これらの印刷機に関する実演やパネル展示、印刷サンプルの配布などを行い、技術力をアピールした。
(2017年12月1日号掲載)