トッパンフォームズはこのほど、バッテリーレス電子ペーパーラベルの表示書き換え機能を高速化。ラベル内部のデータ処理スピード向上や新たな長尺アンテナの開発により、同社の従来製品と比較して約3倍の速度でコンベヤー上を移動するラベルの表示書き換えが可能となった。
電子ペーパーラベルは、バッテリーを必要とせずに、無線通信で表示情報の書き換えを実現。コンテナなどの内容物に関する変更が生じた場合でも、既存の粘着ラベルのように貼り替える必要がないため、ラベル自体の費用や貼り替えに必要な人件費の削減、貼り替えミスによる損失発生の防止に効果がある。一方で、コンベヤー上を移動するコンテナなどに貼付されたラベルの情報書き換え対応に関する要望が、ユーザーから挙がっていた。
これを受けて同社は、電子ペーパーラベル内部のデータ処理速度に関する高速化や駆動波形の短縮化などに着手。また、RFIDリーダー・ライターの開発・製造を手がけるタカヤ(株)(岡山県井原市井原町、岡本龍二社長、TEL0866-62-2015)と協力し、同ラベルの給電・交信に特化した長尺アンテナ「TE3-LA7412」を新たに開発した。国内電波法の型式指定を取得しており、使用に際してユーザーの免許・登録申請が不要。なお、ラベルとともにHF帯の国際通信規格ISO/IEC15693に準拠している。
ラベルの改良と新アンテナにより、毎分20メートルのスピードでコンベヤー上を移動する状態でも、通信距離10センチの範囲で情報書き換えが可能。なお、表示内容は▽数字▽アルファベット▽カタカナ▽バーコード、となる。
同社では、今後の展開として、製造業や物流・流通系を中心に訴求し、2020年度までに、30万枚の販売を目指す方針。
〈写真〉長尺アンテナ(写真奥)と改良型電子ペーパーラベル(コンテナに貼付)
(2017年10月15日号掲載)