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NEC、1ミリの点(ドット)を識別タグ化 「マイドット」、画像認識技術応用 ペン先の“点”がバーコードラベル代替に

NECはこのほど、ペン先で描いたインクの〝点(ドット)〟を画像認識して、識別や認証を行う「マイドット」認証技術を開発した。従来バーコードラベルやICタグ、レーザーによる可変コード描画といった管理ソリューションを、市販のペン1本で実現できるというもの。プリンタやラベルサプライが要らず低ランニングコストで運用できる上、直径約1ミリの点だけでモノと情報をひも付けられることから、これまでラベルの貼付が難しかったごく小さな対象物のほかに、点で解錠する使い捨て可能な鍵など、新たな応用事例が期待される。

NECは、画像や映像を解析処理する『画像認識技術』分野の先進技術を持つ。代表的な「顔認証技術」は、出入国管理システムを中心に世界40カ国以上に導入されているほか、群衆の動きの変化から混雑環境下での異変をいち早く検知する「群衆行動解析」など、社会課題を解決するソリューションを提供している。
今回発表した個々の点を個別に識別するマイドットも、これら画像認識技術の応用事例。ペンで点を打つだけでモノへ簡便な情報のタグ付けを実現した。
使用するのは、インクにラメを混合した市販のデコレーション用ペン。ラメの微粒子が肉眼で視認できない直径1㍉の点の中にランダムなパターンを作り出す(写真参照)。これをカメラで拡大、模様の中から照合ポイントを絞り込んで素早く識別処理する新たな画像認識アルゴリズムを開発。これにより、複雑な模様を高精度に照合しデータを識別する技術を確立した。
認証手順は①対象に点を打つ②粒子パターンの拡大画像をカメラ撮影③データをクラウドサーバーへ送信し登録④カメラで拡大した点を撮影し画像を送信⑤サーバーで照合⑥認証後個体データを提供、という流れ。③に製造年月日といった個体情報や、同時に表示したい画像や動画リンクなどの情報も追加できる。
なおラメがランダムで模様を形成するため〝同じ点〟は存在しない。また一つの点を量産することはできず、1つの点に対して1つのデータをひも付けする。
主な用途は、バーコードラベルが貼れない超小型電子部品の識別や工場、オフィス内の物品管理など。真がん判定やトレーサビリティー確保のほか、モノと電子決済・伝票データをひも付ける識別タグの役割なども想定する。

 
 
(2017年8月1日号掲載)

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