カナダ・CCLインダストリーズは1月30日、米エイブリィデニソンのオフィス&コンシューマープロダクツ部門とデザインド&エンジニアードソリューションズ部門を5億ドル(約456億円)で買収する契約の締結を発表した。
統合する2つのビジネス規模は、2012年の実績に基づくと、約9.1億ドル(約829億円)、EBITDAは1.1億ドル(約100億円)と見込まれる。なお、今回の買収には関係機関の承認が必要となるが、両社は今年半ばまでの作業完了を見込んでいる。
CCLインダストリーズのジェフリー・マーチンCEOは、今回の買収について次のようにコメントしている。
「世界市場で展開してきた事務用品およびプリンタ向けOAラベル販売事業に関するフランチャイズ構築の一環として、エイブリィブランドの2部門を手に入れたが、同時に北米市場で白物用・IT用ラベルのビジネスチャンス獲得にもつながる。今回の買収はCCL史上最大であり、統合後の年間売上高として22億ドル(約2,000億円)を見込んでいる。買収によって当社は今後、さまざまな変化を遂げるだろう」
「当社は買収するビジネスを深く理解しており、製品と従業員に敬意を払っている。また株主には過去10年間で手がけてきた買収と同様、今回のケースについても14年以降に、その意味を理解していただけるだろうと確信している」
CCLインダストリーズは、消費財と医薬品のパッケージにおけるグローバルリーダー。世界75カ所の製造拠点と、社員数6,600人の規模で展開。同社は、大手グローバルサプライヤーと連携し、各種消費財に採用されるラベルをはじめ、コンテナやチューブなどのパッケージ事業を推進する。
グループ会社のCCLレーベルは、世界最大手の粘着・非粘着ラベル印刷会社で、食品や飲料をはじめ、トイレタリー、医薬品、自動車、ハードウエアなどの各分野において、ブランドオーナーや製造業者にラベル製品を供給する。
また、アルミ缶やボトル事業はCCLコンテナーが、エクストルージョンチューブ事業はCCLチューブが、それぞれ北米市場を中心に展開している。
なお、エイブリィデニソンは昨秋、3Mと進めていた同事業の譲渡が白紙となった経緯がある。