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凸版印刷、「コルクタグ」ワイン用に開発 ICチップ搭載 不正開栓を検知

凸版印刷はこのほど、ワインのコルク栓とびん容器に粘着ラベル型のICタグを貼付することで、栓の引き抜きや不正な穴開けによる中身の抜き取りを検知する「Cork Tag(コルクタグ)」を開発した。スマートフォン用アプリケーションは認証セキュリティー会社のセリンコ(ベルギー)が担当。昨年12月、仏ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカーであるドメーヌ・エマニュエル・ルジェに採用された。今後、国内外の高級ワイン醸造メーカーに向けてPRを展開する。

近年、コルクを抜くことなく中身を取り出すことのできる専用の器具が、ワイン愛好家の間で使用され始めている。同器具は本来、開栓することで劣化しがちなワインを長く保持するためのものだが、同時に中身を抜き取って別のワインに差し替えるといった偽造被害の拡大が懸念されている。また、専用器具を使わずとも、びん容器を開栓して中身を偽装し販売することで不正な利益を得るケースも生じており、対応策の要望が高まっていた。
このような背景から、凸版印刷は粘着ラベルにICチップを搭載したNFC対応のコルクタグを開発するに至った。同ラベルは、びん容器とコルクを外側から覆うように貼付するタイプで、アンテナ回路とは別に上面と側面にそれぞれ断線を検知する回路を形成。コルクを引き抜いたり、コルクへ小さな穴を開けたりした場合、容器の異常をラベルのICチップ内に記録する機能を有する。そのため、消費者はセリンコが開発したスマートフォンのアプリを活用して、ワインの開栓を確認できるほか、ワインの産地情報やキャンペーンウェブサイトへの誘導も可能にしている。
新製品の開発に携わったセキュアビジネスセンターの担当者は「これまでのICチップ搭載ラベルは、アンテナ回路が断線・破壊されることで通信不能となるだけだったが、コルクタグは断線後もそれぞれの回路がICタグとして機能することが可能。そのため、開栓後も引き続きアプリを介してワインの情報提供ができる」と説明する。
同社では、ICタグの開発事業を2002年から手がけており、流通・小売りやアミューズメント業界などで多くの採用実績を持つ。コルクタグはこれまでの技術ノウハウを水平応用したもの。初めて採用したドメーヌ・エマニュエル・ルジェは、高級ワインのブランドとして日本でも認識されており、安全なワインとしてのブランドイメージ向上効果が期待される。
なお、コルクタグの価格は30万ロットで1枚当たり約90円。
 
(2017年2月15日号掲載)

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