住友理工はこのほど、フレキソ事業の新たな取り組みとして、フレキソ版の生産拠点をイタリア・トリノに新設する、と発表した。
これは、同事業売り上げの3割を占め、最もシェアの高い欧州市場に戦略的拠点を置くことで、顧客ニーズにより柔軟に対応するのが目的。納品体制についても、拠点を欧州域内に置くことで、きめ細かく迅速に行えるようになる。
製造は、子会社で自動車用ホースの製造・販売を展開しているDytech-Dynamic Fluid Technologiesが行い、来年初めの稼働を目指す。
同社は、2009年にフレキソ事業に参入。コアコンピタンスとなる高分子材料配合の独自開発技術が、同社の版材に付与され、質の高い高解像度を実現するフラットトップ・ドットを、現像の一工程のみで生成する。
また、独自設計の製版機では、水現像による製版時間の短縮や、溶剤・光熱費を削減し、ランニングコストの低減を実現。水現像時に使用された廃液についても、リサイクル可能なシステムを開発し、廃液レスを実現するなど“水”をテーマとした環境ソリューション事業への参入を果たしている。
なお、フレキソ版の製造を行う新工場の投資金額は、約500万ユーロ。同社では、18年の欧州事業の売り上げを、約1400万ユーロと見込んでいる。
〈写真〉独自の高分子材料配合技術が付与された感光性水現像フレキソ版
(2017年2月15日号掲載)