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ハイ・アングル(2025年10月15日号掲載)

▼今年のノーベル賞が発表され、日本からは生理学・医学賞に大阪大学の坂口志文教授、化学賞に京都大学の北川進教授が受賞。坂口氏は免疫学で免疫細胞をコントロールする「制御性T細胞による免疫寛容の仕組み」を解明した。一方、北川氏は分子レベルの無数な穴を構築した多孔性材料「金属有機構造体」を研究。人類の明るい未来につながる研究に従事された両氏の功績をたたえたい

▼受賞された両氏が会見で「基礎研究」の現状に危機感を募られていたのが気にかかる。そもそも基礎研究は実用的な利益に直結する応用研究や開発研究と異なり、仮説や理論の形成が目的。成果が得られず予算カットにより研究を断念するケースも少なくない。日本人のノーベル賞受賞者は多数に上るが、それはこれまで投じられた研究費が結実したもの。今後、いかに学術予算を確保するかが、わが国における基礎研究発展のカギを握る

▼ラベルビジネスに携わる企業は人手不足による雇用促進や技術承継、原材料価格の高騰による利益の圧迫など厳しい経営環境を前にして、効果的な投資に頭を悩ませる。限られた予算の中で的確な投資が企業の将来を左右するだけに、経営者の確かな判断力が求められる

▼少ない人員で生産性を高めるための手段として、高機能な機器・システムの導入は効果を発揮する。すでにそのようなビジネス戦略を遂行している企業も多い。一方で人材の雇用と育成に関する取り組みは後回しにされている感が否めない。賃金アップもさることながら、社員が安心して業務に従事できる労働環境の整備をさらに推進すべきでは。加えて経験の浅い社員が熟練に達するまでの期間を短縮するためのマニュアル化も重要となる。そのための投資は無駄にならないはず。持続可能な経営の実現に向け、今この段階で取り組むべきことは多いはずだ。

(2025年10月15日号掲載)

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